出版社内容情報
広範な分野にわたる実証的研究で中国史を体系的に捉えなおし,画期的な業績をのこした宮崎市定(一九〇一―九五)の膨大な論考の中から,中国文明の特色を述べた一四篇を収める.「中国における奢侈の変遷」「東洋のルネッサンスと西洋のルネッサンス」「中国火葬考」「中国の歴史思想」など,中国史を考えるための珠玉の論集.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Toska
16
著者の膨大な著作中、中国の文明と文化に関する論文や講演録などを集成したもの。戦前の文章は一人称が「余」となっていて時代を感じた。いわゆる唐宋変革論の立場から、宋代の文化に対する評価は高いが、この時代には石炭による燃料革命と製鉄の飛躍があったことも指摘される。観念的な文化論にとどまらず、物質的な裏付けによる補強を試みているわけで、この辺りは本人が距離を置いた唯物史観からも学ぼうとしたのだろうか。2025/11/15
Tomoichi
15
最近少しづつ読み始めた宮崎市定の中国文明論集。毘沙門天信仰や火葬・奢侈・龍の爪の本数など一般の支那史本には無いテーマで流石支那史の泰斗による文章はどれも深い知識に裏付けられていて面白かった。著者の作品をちょっと買い集めようかな?2022/10/15
シタン
13
「中国における奢侈の変遷」では中国の奢侈の遷移を科学の発達と絡めて論じている。「東洋のルネッサンスと西洋のルネッサンス」では、時間と空間をそれぞれ三つにわけて(必然的にペルシャ・イスラム世界が強調される)学芸の発展から絵画論に及ぶ論考を展開。東洋のルネッサンスは西洋のルネッサンスの単純なアナロジーではない。合理的思考を愚直に積み重ねた西洋文明と、直観的思考ではるか先を行っていた東洋文明が対置される。個人的お気に入りは、「中国の歴史思想」の冒頭で、歴史学が最も客観的な学問であることが語られる部分(まさか!)2018/06/05
双海(ふたみ)
12
広範な分野にわたる実証的研究で中国史を体系的に捉えなおし、画期的な業績をのこした宮崎市定(1901―1995)の膨大な論考の中から,中国文明の特色を述べた一四篇を収める。「中国における奢侈の変遷」「東洋のルネッサンスと西洋のルネッサンス」「中国火葬考」「中国の歴史思想」など、中国史を考えるための珠玉の論集。(カバーより)2014/06/03
isao_key
9
解説で編者の礪波護先生が、宮崎先生の略歴についてまとめられて書かれており、これまで発表されてきた数々の業績がよく分かる。本書は中国文明の特色を述べた長短14篇を一冊にし、内容に即して四部に分け配列し直したもの。「宮崎の研究対象は中国史の全時代に及び、また政治、経済、文化、東西交渉史、日本古代史など極めて広範な分野にわたっている。それらの実証的研究にとどまらず、歴史家にとって通史こそ究極の目標であるとする宮崎は、中国史を体系的に捉えなおし、世界史発展の中に位置づけた」とあり本書でもいかんなく発揮されている。2016/06/20
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