出版社内容情報
「場所」の考えを「歴史的実在の世界」へと具体化した西田は,さらに思索を深める.IIでは,生活世界と生死界とが浸透しあう論理的構造を究明し,創造的世界の創造的要素として働きつつ,世界の深みに生死する人間の生命の根源に迫ってゆく.ここに非連続の連続,行為的直観,歴史的身体など,西田哲学の重要な思考が創出される.
内容説明
「場所」の考えを「歴史的実在の世界」へと具体化した西田は、さらに思索を深める。2では、生活世界と生死界とが浸透しあう理論的構造を究明し、創造的世界の創造的要素として働きつつ、世界の深みに生死する人間の生命の根源に追ってゆく。ここに非連続の連続、行為的直観、歴史的身体など、西田哲学の重要な思考が創出される。(全3冊)
目次
行為的自己の立場
弁証法的一般者としての世界
論理と生命
行為的直観
人間的存在
1 ~ 1件/全1件
- 評価
本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
記憶喪失した男
8
第三巻に収録されている「絶対矛盾的自己同一」に至るまでの西田の哲学論文である「論理と生命」「行為的直観」「人間的存在」などがおさめられている。西田幾多郎がどのように思索して「絶対矛盾的自己同一」にたどりついたのか知りたい人にはよい資料となるであろう。が、ぼくが驚いたのは127ページに「ゼーレの世界」という単語を見つけたことだった。2017/02/27
roughfractus02
7
目は自らをじかに見れない。目は身体行為と世界と一体化する純粋経験において「見る」。この行為的直観から著者は、対象を作る「見る」行為が世界を対象として客観化する自己意識と対象世界の関係と物自体の世界を区別し、前者が社会性と歴史性を帯びると捉える。こうして連続する物自体の世界に一体化した純粋経験から対象と意識に分岐する非連続的な生活世界とが相互浸透する場所が自己となる。この世界の相互浸透は論理的に見れば、非連続の連続のように矛盾するが、本書はこの矛盾こそが創造的要素として自己を世界の深み(生命)へ誘うとする。2025/01/13
ほーりー
1
非連続の連続ええな。2012/06/22
-
- 和書
- かなり緩やかな愛の前進