出版社内容情報
「亜細亜は一つなり」で始まる本書は,日本美術史を中心としてその淵源を中国に求め,さらに遠くインドの古代に遡り,その相互の関係を明瞭にした.岡倉覚三(天心)(1862‐1913)はその洞徹した史眼で東邦の諸民族の歴史を一貫する理想を説き,東方の覚醒を促したものである.美術史家であり,また啓蒙家でもあった岡倉天心の面目躍如たるものがある.解説=宮川寅雄
内容説明
「亜細亜は一なり」という有名なことばで始まる天心の代表的著作。日本美術史を中心に東邦諸民族の歴史を一貫する理想を説く。
目次
理想の範囲
日本の原始美術
儒教(北方支那)
老荘思想と道教(南方支那)
仏教と印度美術
飛鳥時代
奈良時代
平安時代
藤原時代
鎌倉時代〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
3
この時代の文章ってなんともいえない魅力があると思うのは私だけかしらね。2013/11/25
讃壽鐵朗
2
難解な著作2018/12/12
Rion
1
岡倉の亜細亜イメージをかじりたくて読了。本書は日本美術史ともいえる。「儒教が浸透している中国よりも日本は仏教美術を理解している」など、西洋文化の日中受容比較と同じ理論が美術にも使われているところが面白かった。外国の技術よりももとからある力を信じて、「内部より大勝利あるのみ、然らずんば外部の大敵に斃るべし」と述べる最終章の総括は、岡倉の考えが表れており良い。2015/11/25