岩波文庫<br> 憲法義解

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憲法義解

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  • サイズ 文庫判/ページ数 302p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003311196
  • NDC分類 323.13
  • Cコード C0132

出版社内容情報

大日本帝国憲法および皇室典範の逐条説明書.旧版を組みなおし,解説を新たに付す.(解説=坂本一登)

内容説明

大日本帝国憲法および皇室典範の注釈書。両草案を枢密院で審議する際に、参考資料として出されたものが原型である。法制局長官・井上毅が原案を執筆し、伊藤博文の名前で1889年に公刊された。明治政府の準公式的な憲法解説書であり、近代日本の憲政史を理解する上で欠かせない重要資料である。

目次

憲法義解(大日本帝国憲法義解;皇室典範義解)
附録(皇室典範および帝国憲法制定に関する御告文;憲法発布勅語;帝国憲法上諭;皇室典範上諭;皇室典範増補(明治四〇年)
皇室典範増補(大正七年))

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

102
この本を以前から読みたいと思っていたところに、岩波文庫から再刊されたので読んでみました。伊藤博文が大日本帝国憲法と皇室典範についての解説を行ったもの、ということでわかりやすくなっています。実際には法制局長官の井上毅が書いたものらしいのですが参考になります。2019/07/23

うえぽん

44
形式上伊藤博文の私著だが、実質的には井上毅の個人的な意見書を基に共同審査会での改訂でその色を薄めて公刊された半官的な皇室典範・大日本帝国憲法の解説書。坂本一登氏による解説と併せ読むと、憲法起草段階及び本書の公表段階での井上毅とロエスレル・伊東巳代治らとの間での議会と政府の権限に係る数々の対立点が明確になり、非常に興味深い。同時期に議論された近代地方制度に与えた影響を含め、井上が考えた日本の統治の伝統、欧州各国の憲法の選択的受容とそれへの反論や戦前・戦後の断絶性と連続性を立体的に理解するための必読書と見た。2025/12/02

てつのすけ

22
何の本だったのかは忘れたが、本書が紹介されていたので、大日本帝国憲法が、どのような憲法であったのかを知りたく読んでみた。憲法の内容ではないが、井上毅と伊東巳代治の対立があり、伊東巳代治の意向が採用されたことが、太平洋戦争へと進む一歩だったのではないかと感じた。2024/07/23

猫丸

17
「不磨の大典」として宣布された明治憲法の逐条説明書。伊藤の名はあるが、一個人の評釈ではなく憲法起草チームの議論を総括したもの。「ぎげ」と読まずに「ぎかい」と読むのが普通であるという(宮崎氏解題による)。天皇を元首とする国家建設の方針そのものは起草メンバーの共有するところであったが、議会によって権力に一定の歯止めをかけようとする井上毅と、円滑な国家運営のため行政の裁量を極大化しようとするロエスレル、伊東巳代治の間には激しい綱引きがあった。井上が下書きし、これを伊東サイドに中和してまとめたのが「義解」である。2020/06/02

まさにい

17
まず、歴史で習った令義解(りょうのぎげ)のイメージがこの本を読んで分かった。このイメージが分かったことは副産物。この本を読んだ理由は、伊藤博文の憲法感覚が現在の憲法の内容と似ているので、どうしてそのような感覚を身に付けたのかを知りたかったから。なるほど、井上毅のおかげだったのですね。井上毅と伊東巳代治の論争も面白い。ここで、井上の主張が通っていれば、司馬さんが鬼胎の時代の原因とする統帥権の解釈も生じなかったのかもしれない。井上の憲法の理解は、現在の立憲主義に近い。それにしても、井上毅の創造力には敬服する。2020/03/28

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