出版社内容情報
聖徳太子の伝記として,「日本書紀」の記事とならぶ最古の文献.欽明天皇から推古天皇にいたる聖徳太子を中心とした5代の間の皇室の系譜,在位年数,没年,陵の所在と,聖徳太子の生没年,墓の所在などの記録,さらに,聖徳太子の伝記や蘇我馬子の事蹟などを内容とする貴重な史料.
内容説明
聖徳太子(厩戸皇子)についての現存最古の伝記。仏教興隆や冠位十二階など、太子とその一族にまつわる事績や、欽明天皇から推古天皇にいたる関係系譜などを記す。引用された「天寿国繍帳」の銘文も含め、日本古代史の第一級の史料に、詳しい注を付す。
目次
A 太子の系譜
B 太子の事績
C 太子に関する古史料
D 太子の事績と関係情報の追補
E 太子関係五天皇と太子の追加情報
F 裏書
原文
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺
12
再読。新訂版。日本古代史で最も有名な人物、聖徳太子の伝記。『日本書紀』よりも古い内容と言われ、大変貴重な文献となっている。本文は短く、注の方が長い。 書き下し文と注、原文、解説と言う構成。注では他の聖徳太子伝の元ネタ文献が引用されており、比較対象ができて有益。書紀との比較では、脚色が少ない古形であることがよく分かり、『書紀は聖徳太子を「日本の釈迦」として書いた』という説も尤もに思えた。ありていに言えば超自然現象的な描写(奇跡や霊験)がない。それだけでも真実味が増す。→続く2022/04/22
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺
8
前回の感想。https://bookmeter.com/reviews/105938397 聖徳太子についての現存する最も古い伝承なので、太子について知りたい人は必読。 今回の要点。欽明天皇の和風諡号は「天国排開広庭天皇(あめくにおしはらきひろにわのすめらみこと)」で、本書も同様で「阿米久尓於志波流支広庭天皇」。この天皇は『日本書紀』で「天武紀後編」についで分量があるにも関わらず本名も即位時や没時の年齢も不明。そこから波及した即位年を巡る問題もあって訳が分からない。そして本文は大半が朝鮮半島の記事。→2023/06/22
赤白黒
6
平安時代に成立したという聖徳太子の伝記。天寿国繍帳銘が見たくて購入。銘文は非常に古い時代の用字で記されており、日本語の黎明を感じた。東野先生による詳細な解説も読み応えがある。欲を言えば、書き下し文はルビも含め歴史的仮名遣いを採用してもらいたかった。在学中、現代仮名遣いで史料を書き下す大学が増えていると聞いたものだが、その流れは今も変わらないのだろうか。自分としてはやはり違和感があるなあ。2024/11/10
mizuha
4
聖徳太子の現存する最古の伝記。写本しか残っていないらしいけど、興味深い一級史料。2013/05/10
たいけい
3
聖徳太子に関心があるならぜひ読んでおくべきでしょう。2019/08/26