岩波文庫
政談

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 386p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003300411
  • NDC分類 121.56
  • Cコード C0131

出版社内容情報

『政談』は,荻生徂来(一六六六―一七二八)が徳川幕藩体制に弛緩を生じさせている根本原因を指摘し,その対策を論じて,八代将軍吉宗に呈した意見書である.現今の都市問題の雛型を見るような,江戸における人口激増に対する無政策の批判のほか,興味を引くのは人材登用策であり,徂来の政治論の最も輝ける部分といわれている.

内容説明

『政談』は、荻生徂来(1666‐1728)が徳川幕藩体制に弛緩を生じさせている根本原因を指摘し、その対策を論じて、八代将軍吉宗に呈した意見書である。現今の都市問題の雛型を見るような、江戸における人口激増に対する無政策の批判のほか、興味を引くのは人材登用策であり、徂来の政治論の最も輝ける部分といわれている。

目次

巻之1(国のしまり一篇の発端の事;江戸町中ならびに武家屋敷のしまりの事 ほか)
巻之2(財の賑わいの大概;当時困窮を改むる道 ほか)
巻之3(人の扱いの発端;官位爵禄の次第ならびに勲階の事 ほか)
巻之4(内曲輪・外曲輪御門番の事;内曲輪にて供の者に笠を脱がする事 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

デューク

7
「国を治めるというのは、碁盤に縦横の筋を付けるように、全体を見渡した計画に基づいて物事を進めていくこと」。そう語る筆者による、経世の書。 筆者は江戸中期、徳川吉宗のブレーンとして活躍した人物である。開闢以来第一の人物と同時代人に激賞された大学者であり、新井白石の終生のライバルでもあった。数百年前に書かれたとは思えないほど、現代の我々にとっても有益かつ興味深い話が続く。長く残る書物には、変わらない人間の本質を喝破した深い洞察が含まれている。古典を読む楽しさと、実践的思索の妙を存分に楽しめる一冊。おすすめ2021/06/27

しんすけ

5
日本の将来に完全に希望を失っている身に衆議院予算委員会などに関心は起こりえない。だがメディアは人の隙間を狙い定めて忍び込むものである。質問に答えない稲田の糞答弁等は腹立たしさを通り越し、政治劣化に納得するばかりである。立法と行政の区別も知らない長の下では当然である。そういうわけで、最近は『政談』を手に取る機会が増えてしまった2017/02/05

T. Tokunaga

4
最終部は個別の政策論なので、別にいまどうというわけではないが、第一〜三部は圧巻。上に立つ者は余裕をもち、強いリーダーなどより優秀な官吏を育成し、リーダーシップより国民の知的レベルを底上げし、生活レベルも福祉政策で上げるとともに、豪奢をインフレのもととして抑えるのは銭の価値の低落を防ぎ庶民の生活を守るためである。2024/03/15

あけの

4
服装や礼の辺りに興味があってよんでみました。 倹約令とかいろいろでててもっと江戸時代は身分により着るものの区別がとても厳しい印象でしたが 実際はそうでもなく、だからこそなんども上から禁令が出たのだろうなということが見てとれました 徂徠の時代は金次第、よの流れ風潮でなんとなく決まってたようなもので 誰が決めた訳でもないから~っ感じかな ともかくいろいろ考えさせられて現代にも通じるもののある本でした2018/08/14

にゃん吉

1
堯舜の世を範として古典を引いたり、本邦の律令制と対照したりしながら、例えば、都市問題に対する政策として、人の流入防止を考えるなど、儒者の説く政治というカンジがありつつ、他方で、武士階級限定ですが、人事につき、人材の登用、活用法を説いたり、朱子学の形而上学的な学問を無用と言ってみたりして、合理的であったりもします。その当否はともかく、大所高所から問題点を把握し、問題解消のための政策として、真の法、礼の定立などを示し、社会全体のビジョンを描いていて、政治を論じているのだなと思いつつ、読了。          2019/03/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/200849
  • ご注意事項

最近チェックした商品