出版社内容情報
主人対奴隷、白人対混血、中央対地方、理性対非理性――。「権力構造の地図と、個人の抵抗と反抗、そしてその敗北を鮮烈なイメージで描いた」(スウェーデン・アカデミーによるノーベル賞授賞理由)、ラテンアメリカ現代文学最後の巨人バルガス=リョサ畢生の超大作。凄絶悲惨な戦闘の果てに、信者たちは何を見たのか?(全二冊完結)
【目次】
第三部(承前)
Ⅵ
Ⅶ
第四部
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅵ
解 説
内容説明
主人対奴隷、白人対混血、中央対地方、理性対非理性―。「権力構造の地図と、個人の抵抗と反抗、そしてその敗北を痛烈なイメージで描いた」(スウェーデン・アカデミーによるノーベル賞授賞理由)、現代ラテンアメリカ文学最後の巨人の代表作。(全二冊)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
48
性欲・野心・知恵という異色な目的がありながら結ばれていた三人衆。それがより、強い絆であったからこその皮肉的でより、現実的な末路を焼付ける。一方、ひょんな事で合流した3人衆の緩い紐帯こそが長続きしやすい関係ともいえよう。また、連邦軍の描写に「兵の三大欲求を即時に満たさなければ、内部分裂が起きる可能性があるからこそ、権力は暴力を容認している」という証左のよう。しかし、話に触発された男爵がセバステイアーナを犯す場面は読んでいて辛かった。エステラはもしかしたら男爵の性欲から逃れ、身代りを立てる為に佯狂になったのか2025/09/28