出版社内容情報
主人対奴隷、白人対混血、中央対地方、理性対非理性――。「権力構造の地図と、個人の抵抗と反抗、そしてその敗北を鮮烈なイメージで描いた」(スウェーデン・アカデミーによるノーベル賞授賞理由)、ラテンアメリカ現代文学最後の巨人バルガス=リョサ畢生の超大作。凄絶悲惨な戦闘の果てに、信者たちは何を見たのか?(全二冊完結)
【目次】
第三部(承前)
 Ⅵ
 Ⅶ
第四部
 Ⅰ
 Ⅱ
 Ⅲ
 Ⅳ
 Ⅴ
 Ⅵ
 解  説
内容説明
主人対奴隷、白人対混血、中央対地方、理性対非理性―。「権力構造の地図と、個人の抵抗と反抗、そしてその敗北を痛烈なイメージで描いた」(スウェーデン・アカデミーによるノーベル賞授賞理由)、現代ラテンアメリカ文学最後の巨人の代表作。(全二冊)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
49
          
            性欲・野心・知恵という異色な目的がありながら結ばれていた三人衆。それがより、強い絆であったからこその皮肉的でより、現実的な末路を焼付ける。一方、ひょんな事で合流した3人衆の緩い紐帯こそが長続きしやすい関係ともいえよう。また、連邦軍の描写に「兵の三大欲求を即時に満たさなければ、内部分裂が起きる可能性があるからこそ、権力は暴力を容認している」という証左のよう。しかし、話に触発された男爵がセバステイアーナを犯す場面は読んでいて辛かった。エステラはもしかしたら男爵の性欲から逃れ、身代りを立てる為に佯狂になったのか2025/09/28
          
        sayan
26
          
            「終末」は支えの臨界を示す。カヌードスの炎のなかで信仰も秩序も語りも崩れた。だが死したコンセリェイロの声が荒野に残り幻聴のように生を呼び戻す残響となった。死後の声を頼りに生者は他者へと近づく。ガザの現在は停戦の名の下で息絶えかけた世界。死と飢餓が即座に押し寄せる保障空白と援助断絶。生の時間と尊厳はホッブズの契約が届かぬ場所で問われケアと責任の政治が応答する。保障の執行力が失われた世界で声もまた失われた。誰が誰に応答するのか。声を失った人は死者に限らない。下巻は終末を越え声を継ぐ人間の信と応答の臨界を描く。2025/10/12
          
        dokuni_san
1
          
            ひたすら泥沼。相互理解の欠片もなく。 しかしすごい。 非常に読みやすかったのが意外でした。 再読は必要かなあ。2025/10/23
          
        

              
              
              

