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岩波文庫
おばあさん

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  • サイズ 文庫判/ページ数 482p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003277218
  • NDC分類 989.5
  • Cコード C0300

出版社内容情報

こんなおばあさんがいたら,どんなに楽しく力強いことだろう.教育はないけれど深い知恵と勇気と暖かい心を持ち,他人の不幸には熱い涙を流し,相談相手になり…….チェコではこの「おばあさん」を知らない人は一人もいない.チェコの国や民族が困難に出会った時,この「おばあさん」によっていつも勇気を与えられてきた.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たつや

41
100年ほど前のチェコが舞台。当時は他国に支配されていた、複雑な背景も作品に反映されてます。田舎で気ままに暮らすおばあさんにある日、嫁にいった娘から手紙が来る。旦那の都合で、近くに引っ越すから同居する?という展開。娘の旦那は伯爵であるがゆえ、同居すると生活のギャップがあるけれど、孫とおばあさんのふれ合いや当時の日常生活が、水車小屋や森番、粉屋等、自分の知らない世界が広がり、心癒される。2017/03/12

きりぱい

15
チェコ人ならたいてい読んでいるらしい国民的文学作品だそうで、カフカにも影響を与えたそうな。住み慣れた所を離れ娘と暮らすことになったおばあさん。自分の習慣を変えないおばあさんだけれど、物珍しさが逆に孫たちの心をとらえる。結構な長さは単調なようでそうでもなく、チェコの風景や生活ぶりに加えて、情深い優しさで遠慮なくものを言うおばあさんの周囲との交流や昔話、狂女ヴィクトリカの話など面白い。戦争の暗い影響も伝わってきながら、しみじみ善き物語という作品だった。2012/08/27

nranjen

6
新年のはじめを、こんな素敵な本で飾れるなんて幸せでならない。美しく、心温まる物語、素敵なおばあさん像に一章一章心を躍らせながら読んだ。訳者によるあとがきに書かれているこの物語の誕生背景を知ることによって、さらにぐっとくる。チェコというまったく異国の縁のない国がずっと近く感じられるようになった気がする。生きることの尊さ、素晴らしさを教えてもらえる素晴らしい本。2021/01/01

ぱせり

3
亡くなって、ずっとあとになっても、おばあさんは、大切な孫娘を助けにやってきてくれたのだと思う。故郷の美しい自然や懐かしい人々を伴って。わたしは、少女の作者のあとを喜んで走り、森番や粉屋の夫婦に挨拶をする。一章読むごとに、侯爵夫人の呟いた言葉「幸福なひとだこと!」をしみじみと味わう。2022/05/20

刳森伸一

3
オーストリア帝国下のチェコで書かれたもので、チェコの国民的小説らしい。内容は、田舎で生きるおばあさんとその娘家族を中心としたホームドラマで、庄野潤三の『夕べの雲』シリーズを彷彿とさせるアットホームで優しさにあふれている。主人公の「おばあさん」の保守的な態度は今となっては古臭く感じるところもあるが、読んでいて心が温まる作品であることは間違いない。2021/11/10

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