出版社内容情報
物語はノルウェー山岳地方の美しい自然描写からはじまる．内気な貧農の娘と浮気者のヴァイオリンひきの間に生まれた少年アルネは多感で無口な青年に育ってゆくが，やがて父が死に母の愛が彼の一身を包む．だが，そのときアルネには母の愛のほかに心を占めるものが芽生えていた．ノルウェーの国民詩人ビョルンソンの代表作．
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あっきー
14
⭐２ 桑原世界近代小説五十選36冊目、ノルウェーの吟遊詩人というのか主人公のように気が利いた詩や歌がすぐに口ずさめたら素晴らしいだろうな、詩が難しかったのでもうチト甘い訳にすれば売れたかもしれない2023/08/11
urano_takashi
2
初期のノーベル賞作家の代表作って、この手の作品が多いんですかね。ヨーロッパの片田舎の恋物語で、要所で詩が謳われるというのが、フレデリック･ミストラルの『ミレイユ』とまったく同じ。でも『ミレイユ』と違って本作は基本的にはハッピーエンドなので、そんなに重苦しくならずに済んだ。物語のクライマックス、エリがアルネの部屋を訪れるシーンがいい。アルネは不在なのだが、室内の雰囲気や小物からはアルネの気配が立ち上っている。その様の描写がきれい。2015/11/09
Yasuhiro Watanabe
1
古書店で５００円で購入。１９世紀ドイツ文学好きなら間違いない。ヘッセ好きもオッケー。 ――人生というものは当人の都合次第になるものではない。それより、当人自身がその中に生きがいを見つけるかどうかという点が肝心だ。2015/10/04
Atsushi Kitamura
0
ノーベル賞を受賞したノルウェーを代表する詩人が27歳の時に書いた小説。 山岳部の農民の息子アルネの結婚までの半生が描かれます。多感な少年アルネは、詩の才能に恵まれますが、彼の生い立ちもあり、心を閉ざしています。彼の外の世界への憧れ、また次第に心を開いて行く様、そしてついに恋に落ちて行く様が、美しい詩を散りばめながら語られます。 恋の相手の両親と、今は無き父親との因縁話もありますが、基本的に風雑なプロットはなく、美しい山岳風景の中でたんたんと物語は進行して行きます。 2014/01/04
