感想・レビュー
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壱萬参仟縁
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1896,1902年初出。イベリア半島東、地中海沿岸が舞台。鰻の生簀(8ページ)もある。「トネットのほうは父親に屈従した生活だった。父親がだんだん沈みこんで、無口になっていった。心底は善良な男なのだが、頑固なほど仕事に熱心なあまり、家の者には残酷」(85ページ)。今のスペイン失業問題だが、外面いいオヤジが居たのかな? 「貧乏な百姓は奴隷だ。一年じゅうあくせく働いて、収穫は誰のものになるのじゃな?」(151ページ) 指摘のとおりで、豊作でも凶作でも貧乏に相違なし。鳥屋場(とやば280ページ)はどんなのかな。2013/02/07