岩波文庫
神曲 〈中〉 浄火

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  • サイズ 文庫判/ページ数 336p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003270127
  • NDC分類 971
  • Cコード C0198

出版社内容情報

地獄・浄火・天堂の三部からなる宗教的大叙事詩.錯誤と苦悩とを通じて魂の純化をもとめる人生行路を象徴している.本書は,ゴティク式大伽藍にも比較すべき均斉調和をもつ大文学であり,ヨーロッパ中世期を中心とした古今東西にわたる思想的背景に結びついた歴史書であり,また人類永遠の運命を探索する人生の書でもある.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マリリン

44
三行韻詩を忠実に再現した山川訳神曲・中(煉獄編・浄火=神に捧げるけがれのない火の意)は、フォントが小さく旧字体で読みにくいのは難点。深く理解できたかは別にして、伝わってくる叙事詩の美しい言葉の響きと情景は音楽のようにな味わい。ダンテがウェルキリウスに導かれ七大罪(傲慢、嫉妬、忿怒、懶惰、貪慾、暴食、邪淫)の山を巡り登ってゆく様は地獄変ほど悍ましい感はないが、多くの作品に取り上げられ様々な訳本がある本作は、時代背景や思想に心を惹きつける魔力のようなものを感じる。                  2022/02/02

藤月はな(灯れ松明の火)

24
人は生きているからこそ、自己弁護などのための嘘をつき、欺き、人を傷つける。そんな人々が行くのは煉獄であるがそこには生きて浄化するというキリスト教での救いがある。2012/12/27

N島

12
上巻より15年のブランクを経て、漸く手を付けた中巻。上巻の騒々しい地獄の有様とは趣きを変え、かなり説教臭い内容の煉獄篇はちょっと退屈な印象です。腐敗に満ちた世の中をキリスト教的道徳で灼き尽くさんと、眉間にシワを寄せたダンテ先生が筆圧高く書き上げた様を想像してしまいました。かくして目出度く天に召された?ダンテ先生が天国で見るものとは?待て次巻!2016/11/07

金吾

11
煉獄扁だと思っていました。この扁ではやはり七つの大罪(高慢、嫉妬、怒り、怠惰、欲、飽食、快楽)が印象的であり、私自身総て関与していると思うので毎回大きく反省ししながら成長しないままです。 愛と罪、善と悪の表裏性を考えさせられながら読んでいると朝になっていました。2020/07/24

壱萬参仟縁

10
1472年初出。本文は1-3行単位で進む。「正義これ(引用者注:義務=つとめ)を求め、慈悲我が抑(と)むといふに似たりき」(71頁)。正義と義務、慈悲は助けあうのだろう。傲慢の罪を戒める。「あゝ貪慾(むさぼり)よ、汝わが血族(ちすぢ)を汝の許にひきてこれに己が肉をさへ顧みざらしめしほどなれば、この上(うへ)何をなすべきや」(131頁)。貪欲は自戒する。奥付の前の頁にある圖。地上樂園が最上位で、順次邪淫、暴食、食慾と消費、怠惰、忿怒、嫉妬、傲慢、君王の溪。淨火は傲慢以上、淨火門外は君王の溪と海(336頁)。2013/10/26

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