出版社内容情報
母親の強いる富裕な青年との結婚を拒んだヴェーラは,医学生ロプーホフを夫に選び家を出る.自分と同様に貧しい女性を助けるために裁縫店を開いた彼女に新しい恋が芽生える.婦人の解放,恋愛と結婚,共同労働の組織,不幸な人々の救済と教育の問題などの解決を求める「新しい人々」の姿を描く,ロシア文学最初の社会主義的空想小説.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
黒豆
10
ドストエフスキー並の心理小説の幕開けかと期待させるが、冒頭の事件については下巻まで放置され、軽く触れられるのみ。それから、作者が随所で今後の展開を明かすのも読む気が削がれる。「小説としては失敗」と評されることが多いのも納得。恋愛小説というのはカモフラージュで、社会主義思想を広めることを意図して執筆されたから、小説として面白くないのは仕方ないのかもしれない。しかし、貧しい家庭の少女が、男性達の影響や夢のお告げにより、手に職をつけて自立していく様は、当時熱狂的に読まれただろう…と想像すると楽しかった。2015/02/21
とまと
8
ラフメートフさん!愉快ですなあ。声に出して笑ってしまいました。しかし、小説だったら面白くて笑ってしまうのに、現実でラフメートフのような人がいたら萎縮してしまうだろうなあ。2012/07/25
Terry Knoll
3
「なにをなすべきか」は「革命を起こして新しい社会をつくろう」の意味でしょうか? 慧眼なる読者と呼びかけがおおいけど、私はこの本がよく理解できませんでした。 m(__)m この本が発表当時、ポーランドで武装蜂起(1月蜂起)が起きています。 帝政ロシアの末期、人々は革命に期待し女性の自立・恋愛の自由 貧富の格差解消を心待ちにしていたのでしょうね。2015/07/07
てれまこし
2
伝統対革命の政治は世代間闘争でもある。不自然な迷信なり慣習に人間性を歪められた年寄りに、自然で純粋な若者が憤るのが近代政治。偽善が露悪に代わるんであるが、それだけじゃ前進する希望は生れない。そこにはユートピアが提示されないとならない。この時代にはまだこんな小説が書けた。そのかわり、過去の歴史は理不尽で無意味なものとなるから、新秩序を構想するための知恵は理性という甚だ頼りないものに頼らざるをえない。だけど、机上の空論はいつかは現実とぶつかる。われわれは再びユートピアから地上の世界の歴史に帰還せざるをえない。2018/07/01
刳森伸一
2
ダメだった。後半になるにつれて苦痛が増してきた。思想の正誤は別にして、小説としてみると駄作としか言えない・・・2013/08/13
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