出版社内容情報
第1次大戦から10月革命にいたる近代ロシア最大の激動期,南ロシアのドンのコサックたちは,どのようにみずからの道を切りひらいたか.主人公グリゴーリーの悲劇的運命をたどりながら,さまざまな階層の人間を生きいきと描きだしたこの小説は,スケールの雄大さ,ストーリーの面白さと相まって,「戦争と平和」と並ぶ傑作と称えられている.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
26
ドン地方のコサック軍が反皇帝軍となる。雪と氷と風と疲れ切った馬、重い銃器、読んでるこちらもクタクタになった。前巻までは捕まえた捕虜達を寛大に扱っていたが、だんだんすべからく処刑していくのも辛かった。静かなるドンの主役達は、元々農業や馬の放牧を行いながらのどかに暮らしていたコサックの人達である。スターリン時代も生き延びたこの作品が、ソビエト誕生でコサック達がどのようになっていったか読むのが楽しみ。2020/02/17
ソングライン
11
革命政府が樹立し、ドン地方のコサックも革命委員会の赤軍と革命政府からの独立を望む白軍に分かれ、争うことになります。グリゴーリーは当初、革命軍に属するもボドチョールコフの捕虜に対する残忍さに嫌気がさし、負傷をきっかけに故郷に帰ります。一方、赤軍に身を投じたブンチュークは赤軍機関銃隊を組織し、その兵士となったユダヤ人女性アンナに惹かれていきます。ブンチュークとアンナの戦場での恋とその永遠の別れに涙する第4巻です。2021/05/14