出版社内容情報
第1次大戦から10月革命にいたる近代ロシア最大の激動期,南ロシアのドンのコサックたちは,どのようにみずからの道を切りひらいたか.主人公グリゴーリーの悲劇的運命をたどりながら,さまざまな階層の人間を生きいきと描きだしたこの小説は,スケールの雄大さ,ストーリーの面白さと相まって,「戦争と平和」と並ぶ傑作と称えられている.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
30
ソビエト誕生の産みの苦しみで、分割され武器や財産を没収され内戦へもつれ込むコサック。半農半軍で闘う事に誇りを持つコサックを散り散りにする事は、ソビエト政権にとって必要な事だったらしい。兄弟と呼び合っていたコサック同士の闘いは親や家族を殺された恨みも孕んでますます残酷になってゆく。それにしても戦争の前線にありながら冗談を言い合い、息ができないくらい笑いあうコサック達の悠揚迫らぬ民族性、機を見て便にうろちょろしながら死を前にしても平気な顔をしてみせる誇り。少しは見習いたい。2020/02/26
ソングライン
16
同じコサックでありながら、革命軍と白衛軍とに分かれた戦いは、続いていきます。戦闘員としてロシアのために尽くし、自分たちの土地を獲得してきたコサックたち、武器を取りあげられ、反抗したコサックを理不尽に銃殺する革命軍に抵抗します。グリゴーリ―の義父は捕らえられ銃殺され、実の兄ペトロも戦いのなか、降伏するも友人だったコサックに殺されてしまいます。赤軍の探索を逃れたグリゴーリ―は再び戦い身を投じる第5巻です。2021/05/28
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- 和書
- 「立憲主義の破壊」に抗う