出版社内容情報
革命運動が破れ,集団への信頼が地に落ちたとき,人びとは強い個性を憧れた.個性のもっとも強烈な性欲の世界がここに開けた.アルツィバーシェフ(1878‐1927)の本書は性欲の神聖を主張し,絶対の恋愛解放論を主張したもので,発表当時あらゆる外国語に翻訳され,知識階級の新しきバイブルとなった.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
空飛び猫
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悩み。そして、自殺。 サーニンの軽やかさ。 思うままに生きること。2012/06/30
Lieu
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閉塞感ただよう、末期のロシア帝国。世のため、人のために何かをする機会は摘み取られており、あらゆる観念的議論は空疎に響く。若者たちは虚無的になって、恋愛遊戯に耽り、自殺をこころみる。彼らのうちで、もっとも心動かされることのなさそうなサーニンに、光が差す結末。暗い小説だが、若さにひそむ空疎さを、汲み取り尽くそうとする力作であった。内面描写と水辺の自然描写のバランスも中々よい。2019/06/20
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