出版社内容情報
人生とは善への希求であり,その努力にこそ人生の真の意義がある.善こそは人生の目的なのだ.だが,この目的は何によって達成しうるのだろうか.トルストイはこう断ずる,それは人間にのみ与えられたあの理性の働き,即ち愛によってである,と.『人生論』には,この偉大な「人生の教師」晩年の思索と体験のすべてがこめられている.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
lily
91
トルストイの価値観リストは愛に始まって愛に終わるようなもの。愛の材料だけで世界ができてしまうみたい。少し愛に飽き飽きした時のデザートも欲しくなる。時には他人忘れて自分の中の探求心を見つめてもいいですか。2021/05/08
マエダ
88
そろそろ人生とはなにかくらい知っておこうと読了。表題は「生と死について」がテーマであるが生が中心に書かれている人生論2017/10/13
かるかん
28
『愛の感情とは理性的意識にしたがう自我のはたらきの現れである。』 自分の経験値が足りないせいか、書いてあることがあまりよくわからない。納得がいかない。 例えば、「意識が失われるのは死の場合と同じなのに人が眠るのを恐れないのは、今までも眠っては、また目覚めてきたのだから、今度も目覚めるだろうと考えるからではない。」 と書かれているが、眠るときは普通明日何々をしようと考えて眠ると思う。 何千回も繰り返してきた眠りという動作に「明日起きないかも」という疑問を持つのか? また今度読みなおしてみよう。2015/01/21
ぽんくまそ
7
自殺・病死で弟たちに先立たれ、ハワイで余生を過ごすレスラー、ケヴィン・フォン・エリックがインタビューで「不幸な一家と言われるが、幸福な一家だよ。楽しい思い出しかない」と笑顔で答えていたのは、こういうわけだったのかと思った。2019/07/20
桃の種
5
第三十三章「眼に見える生活は、生命の無限の運動の一部分にしかすぎない」自分はこう捉えた。自分というのは連続した生命の一部分であり、そして他の部分にも生命をみとめる。愛をつくしてその中に公益的自分を出す。そうすることで幸福は訪れる。難しくてよくわからなかった。2021/03/21