出版社内容情報
この作品のヒロインはアンナである.しかし作者が描いたのはアンナの悲劇だけではない.彼女の夫カレーニン,彼らと対照的なレーヴイン夫婦,そしてオブロンスキイ夫婦を,さまざまな事件を配しながら微細に描写する.読み進むうちに読者は,愛とは,結婚とは,生活とは,といった問いを,自らに発していることに気づくのである.
内容説明
アンナは正式な離婚を望む。が夫は拒否。ウロンスキイはアンナを愛したが、社交界で孤立してゆく彼女に次第に幻滅を感じる。絶望したアンナはついにホームから身を投げる、「これで誰からも、自分自身からものがれられるのだ」とつぶやきつつ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美雀(みすず)
37
やっと読み終えた。長くて、途中分からなくて…我慢して読んだという感じが拭い切れない。でも、アンナがどんどん追い詰められていくのは悲しいな。ウロンスキーが支えてあげないとダメになることは分かっているのにね。レーヴィンとキチィはこれから徐々に幸せな家庭を築く感じが溢れていて良かった。2015/09/27
シェリー
13
長い物語、ようやく読み終えました。なにもかも捨ててウロンスキィと暮らし始めたアンナは只々ウロンスキィの愛が欲しかった。永遠の変わらぬ愛が。いつもアンナの側にいていつも変わらぬ愛をささやき続けていたら、それだけでアンナは満たされていたのに・・・。アンナにとってはウロンスキィの愛が生きる全てだったから。アンナの最期がとても哀しい。キチイとレーヴィンは少しずつ成長し家庭を育んで行く様子に安堵した。2015/11/02
Francis
10
「アンナ・カレーニナ」20数年ぶりの再読終わり。この小説のテーマは色々あるらしい。末尾の主人公レーヴィンの思考は理性で全てを支配しようとする近代への懐疑と理性と相反する宗教・信仰への回帰を訴えているようである。恐らくそれはレーヴィンのモデルとされる作者トルストイ自身の信念でもあったのだろう。2023/07/26
D21 レム
7
アンナの思考の流れを書いた部分が長くて内容が濃くてへとへとに疲れた。アンナのような人はごめんだ。レーヴィンの幸福の考察がまた長くて「そんなに考えなくていいから」と思いつつ読んでまた疲れた。親しみは感じるのだが。自分もあれこれ考えてしまうほうだったがこの本が反面教師になったのか、考えるのは極力やめようと決心した。愛や幸福は感じるもので、考えてもろくなことがない。こんなにこってりと人間を描くトルストイは体力気力がすごいと関心する。いったい何を食べどんな生活をしていたのだろう。『戦争と平和』のほうが断然好きだ。2013/08/19
ぷるいち
6
読んだ、長かった。とても。僕に経験が足りないのだろうか、あるいは時代が変わったのだろうか、どうも物語のなかへ入って行けなかった。上、中と自分の感想を読み返していて、段々と態度変容しているのが、なんとも、まぁ。2015/04/30