内容説明
その年、いくつもの船が海で“何か巨大なもの”に出くわしていた。それは長い紡錘形の物体で、時に燐光を発し、クジラよりもずっと大きく、ずっと速かった。アメリカ海軍から依頼され、追跡行に加わったアロナックス氏は、ついにその怪物に遭遇した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
109
ふしぎの海のナディアの原作と言うから読んだが実は原作とは別の作品になっていることに驚いた。しかしネモ船長などが強い人間不信に陥っている理由とか謎が多い状態で話が進んでいくところが面白かった。しかも1886年の作品と聞くと潜水艦が開発段階にあったものなのに著者は想像力が豊かだなと思った。2013/08/10
みつ
26
子どもの頃ジュヴナイル版で読んで以来の本作。学校から行った映画でも観たが、原作を読むのは初めて。1862年7月、世間を賑わす「謎の巨大生物」を追うべく探査船に乗り込んだ教授とお付きの青年、そして銛討ちの名人が船から投げ出され、潜水艇ノーチラス号(であることが後にわかる)に救助されるところから物語は始まる。ネモ船長(ラテン語で「だれでもない」という意味(p143)とは知らなかった)と教授の語らいは、(当時の?)科学知識と海に関する統計が満載。既にラッコが絶滅の危機にあること(p259)も初めて得た知識。2024/04/24
まえすとろ
24
千葉にあるのに東京な「ネズミーランド」のアトラクションにもあるので若い世代でも題名だけは知っているであろう海洋SFの古典。今から150年前に描かれた本書は帆船がやっと蒸気エンジンを装備しだした時代で”潜水艦”の概念は大まかな構想でしかなく「鯨のような舟」という外観と水中を自由に動き回るオウムガイをイメージして名づけられた潜水艦『ノーチラス号』と2012/12/10
烏山
15
[再読]とにかく魚や海の生物の名前がたくさん出てきます。昔の偉人、学者の名前も出てくる出てくる…。ノーチラス号、ネモ船長の秘密とは何なのか。 ちらほら、日本や日本海が出てきて、あのノーチラス号も近くを潜ってたのか〜と思うと嬉しくなった。2017/01/06
フジコ
14
例えばバカンスでダイビングに行く事はないけれど、この本を読むと深い海底の美しい生物や面白い生物と多数出会える。そして丁寧な解説付きだ。世界中の海を航海する旅に出る事はないけれど、この本を読むと終始大冒険、未知の世界を体験できる。船酔いもせず、海底での生活を存分に体験できる。挿絵がとても美しく、素晴らしい。2014/04/17