岩波文庫<br> 大地 〈下〉

岩波文庫
大地 〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 182p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003254523
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

出版社内容情報

フランスの穀倉ボースの平原を舞台に,零細な土地に執着する貧農の,素朴でしかも貪欲な動物的生態を描いた本書は,19世紀の農村の真実を描破した大作.親のへそくりを奪うために実父を殺す息子,妻の妹の相続した土地をわがものにしようと強姦する夫に協力しついに死にいたらしめる姉――恐るべき人間の獣性.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

23
フランソワーズは姉リーズともみ合いになり亡くなり、最後までよそ者でしかなかったジャンは軍隊に戻る。次世代は、土地を純粋に財産とみなしており、金になると知れば売り払うことに躊躇ない。ジャンをはじめ、本作での数少ない善人は、例外なく金に狂った悪人たちによって駆逐される。家族を渡り歩くフーアン爺さんは、まるでリア王のようだ。 2024/06/22

LUNE MER

12
ドストエフスキー「悪霊」の終盤で主要人物がどんどん死んでいく怒濤の展開に圧倒された記憶が甦るくらい、この下巻での尻上がりの展開は圧倒。ジャンがこの村にいたことで惹起された事件もありつつ、結局最後まで彼は村社会の内側には迎え入れられないまま、村の中での様々な人間関係が悲喜交々の着地を迎える。悲劇の方が圧倒的に多いし、畳み掛けるような死亡退場のペースも凄まじかったが(~_~;)。これがドストエフスキーなら殺人者には何らかの落とし前をつけさせるところなんだけど、ゾラの場合は自然主義文学の名の下に?放置……2021/07/07

kitano

1
親子の絆とか、家族で支えあって生きるとか、そういうテーマは世の中に多いけど、その対極にあると思える作品 本能やエゴ丸出しの農民達 ジャンはそんな中で様々な仕事を手伝いその地に根付こうとするが、最後までよそ者扱いされ失意の中土地を去る 話としてはドロドロして悲惨なのに何故か読後感は悪くない。現実をありのままに描く巨匠ゾラ 綺麗事ではない人間の本質を描くところが素晴らしい。 アメリカからの輸入小麦の脅威にも負けず今もボース平野は 欧米有数の穀倉地帯なんだろう。いつか行ってみたい2019/11/12

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