出版社内容情報
田舎出の純潔な美青年と,男から男へと渡りあるく娼婦,このふたりを中心にパリ社交界の風俗絵巻がくりひろげられてゆく.ドーデーはこれらの愛欲に溺れ,泥沼にあがく人びとの弱さを,さげすむことなく,このような宿命をせおった人々の悲惨な姿を温い同情とあわれみの眼をもって,彼一流の生きいきとした描写で書きつづっている.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
qoop
1
少年らしい潔癖さを残した美青年がファム・ファタールと出逢い、情痴と愛欲に絡め取られて堕ちていく様子を粘度高く描き出す。これでもかと幼い夢を砕かれ、俗気に慣らされていく主人公の空漠としたやり場のない怒りが生々しい。魔性の女を地に足のついた人間として活写する手際も見事。男性視点ではなく女性視点に立ち、相容れない二人の悲恋として再考してもいいのかもしれない。2016/11/24
A
0
別れたいのに別れられない!2016/01/05
chie_uf
0
離れたくても離れられない、生気を吸い取られるような恋の話。別れなくてはと思っても別れられない。 2010/09/06