出版社内容情報
『愛の妖精』など,田園を舞台にした数々の名作で知られるサンドは,また民間伝承のすぐれた採集者でもあった.狼使い・森の妖火・いたずら子鬼・巨石にまつわる怪・夜の洗濯女といった,彼女が居を構えたフランス中部ベリー地方に伝わる口碑・伝説を集めたのがこの一書.フランスの『遠野物語』と言うべき貴重な作品.
内容説明
『愛の妖精』など、田園を舞台にした数々の名作で知られる著者は、また民間伝承のすぐれた採集者でもあった。狼使い・森の妖火・いたずら子鬼・巨石にまつわる怪・夜の洗濯女といった、彼女が居を構えたフランス中部ベリー地方の農村に伝わる口碑・伝説を集めたのがこの一冊。フランスの『遠野物語』と言うべき貴重な作品。
目次
フランス田園伝説集(馬鹿石、泥石;霧女;夜の洗濯女;化け犬;三人の石の怪;エプ=ネルの小鬼;森の妖火;狼使い;リュプー;エタン=プリスの修道士;火の玉婆;リュパンとリュパン)
拾遺篇(マブ女王;走る妖精;小川;中部フランスの信仰と伝説)
田舎の夜の幻
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ピンガペンギン
34
1858年。フランスの遠野物語ともいえる作品。ジョルジュ・サンドがベリー地方の民話を採集してくれた。柳田國男の本を一度読んだ時にも「いや、そんなことがあるわけがない」などと思ってしまったが、そのような態度では、採集できなかったと思う。狼男ではなく「狼使い」の話が載っており、楽師が狼使いでもある。たが教会で演奏したりするので村八分になっているわけではない。「化け犬」では、牛の病気をなおしたいと思い立った男が、靴職人の呪い師に術を教えてほしいと頼みに行く。兼業呪い師なのだ。19世紀前半の農村はこんな感じだった2025/12/17
棕櫚木庵
21
モーリス・サンド(G.サンドの息子)が採取した伝説を著者が敷衍・説明する形の口承伝説集.「フランスにおける『遠野物語』」(「訳者あとがき」)の趣.M.サンドの挿絵を多数収める(ただ,ただ暗い).紹介されている伝説の中,一番印象的だったのは壁に映る狼の影の話(p.124ff.「リュバンとリュパン」).本文とは別に,「訳者あとがき」のフランスにおける口承文学盛衰の話(ペロー→サロンで流行→地方に逆流→本来の口承文学の衰退→19世紀,独英の影響下に再注目)が面白かった.▼大半は病院の待ち時間に読んだ.2024/05/27
藤月はな(灯れ松明の火)
18
伝説集にはちょっと、人に面白いと想わせるように語るのが多いのにフランスの田園伝説は怪異と出会った事実を淡々と語られているのが印象的でした。ルー・ガルーなど西洋特有のもの、悪の真実を説くこの地に離れられない聖職者、見つめる岩や夜の洗濯女など東洋の妖怪とも比較できる怪異もあって面白かったです。木炭で描かれたようなおどろおどろしいが繊細なタッチの絵も素敵です。2012/06/15
佐島楓
14
自然の中の怪異現象を扱った説話集。「愛の妖精」が良かったから購入。どこか日本の妖怪と似ている部分もあって、面白いものだと思う。2011/12/02
HANA
14
世の終わりまで死んだ子を洗い続ける洗濯女や森の妖火、動き回る石等様々な民話が収められている。西洋の民話やお伽噺が好きな人は必読。不思議でどこか懐かしい感じのする話ばかり。知性と啓蒙の光の前にこのようなものは消え去っていくという作者の指摘には大いに同感させられた。こういう話を心のどこかに持っているだけで人生は豊かになるだろうに。押絵も少し荒いがいい味を出している。2011/10/25
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