内容説明
最新鋭艦〈カンバーランド〉に新艦長として着任した若き海軍少佐ロビショーの、異星種族クラグとの激闘の日々を描く戦争冒険SF、あらたにスタート!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
106
宇宙もの。しかし、Uボートのような潜水艦がどこに潜むか怖れながらも戦いのために南半球の広い海を航海していくイギリス海軍の船の印象を抱いた。そしてクルーはカーク船長とドクターのイメージ。閉塞感のある船で規律を保つために対処したり、敵の攻撃に先制するためには、権利濫用せずに指揮する難しさがあり、だからこそ遵守する規定があるのだ。帰港後にどうなるかと心配したが、様々なことをうまく回収する物語の構成が見事。女性のいない理由もうまく考えたな。処女作的なぎこちなさが冒頭には若干あるもの後半は流れるようだった。2021/09/06
猿吉君
75
こういう宇宙戦艦ものが読みたかったんだ!と膝を打つ傑作です!①なんと言っても最大の欠点は3部作なのに続編が出ない事、表紙イラストを宇宙戦艦か寺田克也先生に描いてもらえたらもっと売れたかも。②医者のシャヒンが活躍し過ぎて後半マックスの影が薄い(笑)③戦艦同士の戦いがワクワクして宇宙人との交流も良し、他作品の様なげんなりする色恋沙汰が無い理由もしっかり、隙がありません。点数85/100→スペースオペラ艦船ものでベスト、スタトレの後継者というのも大袈裟じゃない、なのに続編出版予定無いのが痛過ぎる(>_<)2023/04/21
Panzer Leader
33
「海外作品読書会」あいやー、余りにも良い本読むと感想が出てこない。全部乗せラーメンみたいに自分の好きな要素がてんこ盛り。いいなと思ったポイントは、この手の作品にありがちな女性隊員が一人も出てこないこと。(その理由も説明されている)全編漢、漢、漢だらけ。それでいてむさ苦しさはない。近接攻撃武器が現代とほとんど変わらない事。あまつさえ白兵戦には短剣が主要武器で臨場感が圧倒的。それと映画や歴史的事実・「スタートレック」から引用される小ネタも楽しませてくれる。こんな正統派ミリタリーSFで泣けるとは思わなかった。2017/07/28
くたくた
30
候補生として8才から宇宙軍で育ち、28才で大尉になっていたマックスは、艦長以下の先任士官が全滅した艦内で戦闘指揮をとり、敵を破り生還する。この功績で最新型の駆逐艦の艦長に抜擢されるが、この艦が問題。前任艦長が病的な偏執狂で、乗員を疲弊させ艦内には問題が山積、戦闘効率は最低レベルまで落ちている。艦の問題を解決し、乗員を鼓舞し、士気を回復させなければならない。そのためにも敵に打ち勝つ必要がある。新米艦長が外敵とも艦内の問題とも果敢に戦って、部下の信頼と戦果を得ていく正統派ミリタリーSF。おもしろいです!2017/04/22
鐵太郎
24
英国の帆走戦闘艦が活躍した時代の海洋冒険小説は、たくさんのファンをもっています。その舞台を宇宙にもっていったSFは、ある意味夢よもう一度的ではありまが、かなり多いのです。しかし、正直努力の甲斐のないものが多い、残念ながら。でもこれは違う、一歩上をいっている──と思う。あのころの香りを残しつつ、スペースオペラとしての設定をしっかりと整え、なおかつ面白い。こんなSFを読みたかった!2018/05/16