出版社内容情報
「バビロンの王女」は千一夜物語風の恋物語の中で,各国の政治・社会の形態を描き,あわせて当時のフランス社会を批判した小説.「アマベッドの手紙」は書簡形式をかりて,キリスト教を批判した短篇.ともに作者一流の諷刺がほどよくきき,モリエールの喜劇にみるフランス特有な面白さをかねそなえた小説である.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
feodor
2
「バビロンの王女」は冒頭ではどことなくロマン主義的な古代の壮麗な物語なのかなあ……と思わせつつ、いざストーリーが動き出してみるといつの間にやら18世紀のヨーロッパを巡る旅に入り込んでいく不思議さ。そして古代オリエント世界の壮大さが、妙に矮小化されたヨーロッパに突入していくその奇妙さが歪みのようでおもしろい。そして、なんだかんだと英国贔屓だよなあ、ヴォルテールは。 「アマベッドの手紙」はインドの教養ある若者が、ドミニコ会士の悪辣な罠にはまって……という内容のストーリーを書簡体で展開していくもの。キリスト教徒2010/03/18
kazutox
1
ヴォルテール70代のコント2つ。どちらも「カンディード」のような冒険譚で、異国人が当時のヨーロッパを体験するという18世紀によく書かれたタイプの小説。風刺が強めで、「カンディード」のような哲学的な要素はなし。特に「アマベッドの手紙」は風刺というより露骨なカトリック攻撃で、当時はすぐ発禁になったそうな。話はまあまあ楽しめました。2022/11/01
Auristela
1
ヴォルテールから風刺を取り除いてあげたら、格調高い幻想小説になりそうなのに、勿体無い、、2014/08/29
Chunko
0
パラサンジュ(単位)/フォルモザント/ネムブロッドの弓/デルベントの炉/振り琴:シストル/一角馬:リュルヌ/愛の歌:マドリガル/アルデ/エスペリードの島国/イルテ/シャスタ聖経/妙眼麗女/ドリュガの女神/ミラシャ/アプシャイッド/セムコール/ミルサマシャッド/沙門/アウトラシャスタ/エフェスチオン/修導僧:モアヌ/アリオスト どちらも凄く固有名詞が美しかった!「バビロン」は最初ファンタジーかと思ってたら途中から王女が諸国遍歴する話で、「アマベッド」はインドにいた夫婦がローマに連れて来られる話でした。1993/03/07
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