出版社内容情報
ボルドー行の車中追剥ぎに襲われ,赤児を残して乗客はみな殺しになった.村の司祭に育てられたマリヤンヌは,司祭兄妹の死後信心家で評判の老人の手に渡される.しかしその老人は実は好色漢であった.そのうえマリヤンヌの初恋の青年が好色爺の甥であったとは…….女性心理の分析家として屈指の作者の筆になる波瀾多き女の一生.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ラウリスタ~
12
マリヤンヌの話しは一時中断、面白くないわけでもない修道女の話しに入る。そろそろマリヤンヌの話しに戻るかなと、待てど暮らせど・・・って終わりかい!!!マリヤンヌの話しも中途で終わり、挿話として始まった修道女の人生ばなしも突然終わる。マリヴォーって、物語を完結できない人だったんだな。この修道女は別にして、マリヤンヌの生涯だけを単独で読むほうが、むしろ普通か(そういう出版形態も実際あるようだし)。修道女の話しはなあ、完全に蛇足だな、信心深いお嬢さんの話しなんてなにも興味深くはないから、マリヤンヌに戻れよ!2014/05/23
きりぱい
4
面白かった!けど、けど、未完てどゆことー!まさかの生殺し同然の仕打ち。美しくて有徳で品もあるのに、素性明らかでないばかりに世間に翻弄されるマリヤンヌ。その運命の変遷をこってり語る話は、大衆的なメロドラマにして大仰であけすけな心理が面白くて仕方なかったのに。ここにきて修道女の身の上話にすり変わり、それでひとつの作品になるぐらい長い。それもどうやら痛快に落着しそう、とページを繰ったら、あれ?もう解説!嘘でしょー!修道女の結末もマリヤンヌの続きもないまま終わった。あー残念。別人の書いた続編はあるらしいけれど。2013/12/05
takeakisky
0
修道女の話が続く。マリアンヌにしろ、彼女にしろ、大分芝居掛かった行動をとる。また、その目論見の内幕を話す、話す、話す。マリアンヌという素人が書いている態ではあるが、やりすぎである。とはいえ、ここまで付き合って。うむ、ここでちょん切るか。全体の構想はあったんだろうか?想像を逞しくする。いろいろ面白く読む。2024/09/29
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