岩波文庫
カラクテール 〈下〉 - 当世風俗誌

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  • サイズ 文庫判/ページ数 174,/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784003251638
  • NDC分類 954
  • Cコード C0198

出版社内容情報

モラリスト,ラ・ブリュイエール(1645‐1696)の眼は17世紀フランスの風俗の諸相――女性の心情,文学作品,宗教界,思想の流行,社会の陋習――に向けられる.特殊個別の事例から人間の永遠普遍の像が犀利な筆によって,さまざまに描き分けられる.モデル論議で当時の社交界を大きく沸かせた.モンテーニュの「エセー」とならぶ真摯な人間性探究の書.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

17
隠れた心理。 道徳的反省を促す書(表紙見返し)。 必読書。 前2冊とは少し違うのは、 文章が長めになってきたこと。 原典の研究は、いくら推奨してもしすぎることはない。 どんな学問に対しても、最も確実で最も愉快な 近みちである(89頁)。 巻末には索引がある。 僕としては、前の2冊の方が有用であった。 2014/04/24

roughfractus02

8
どこから読んでも良い本書の形式は17世紀パリのサロンを思わせる自由さを表すとされるが、パリにいて風刺を書くことは慎重を期す行為だったという。すると、前巻で下から上へ階級を上昇しつつルイ14世をポルトレ形式で賛美し、権力の矛先をかわした著者の文を、スタンダールが喜劇味に欠けると表した理由も頷ける。本巻の宗教界の形骸化に対する風刺も、敬虔な信仰告白でその矛先から身を守るように長文でやや饒舌に思える。どこから読んでも良い自由さを醸し出す本書を順に読むと、その行間に、著者の身に迫る時代の不穏な雰囲気が感じられる。2022/05/28

オカピー

5
フランス17世紀の風俗誌。「人さまざま」ですね、考え方も行動も。時代を経ても変わらないものもたくさん。最終章「強き精神について」では、宇宙や惑星、地球と太陽とか話の規模が大きく、そんなものに比べたら今過ごしている世間なんかは、何ほどのことも無い位小さい狭い世界だということですね。2025/01/20

Fumoh

3
下巻は「流行」「習慣」「教壇」「強き精神」となっております。当世風俗誌とあるように、いささか当時の社会の細かすぎる描写があって、一目見てもよく分からない叙述があったりしますが、それよりもはるかに時代を貫いている道徳の称揚が多いです。ただしいささかストイックすぎるところがあるかなと(道徳なんていうのは全部ストイックなのかもしれませんが…)。こういう民衆の愚かさや、貴族のずる賢さを嘆いた書よりも、民衆の民衆らしさをそのまま作品に高めたシェイクスピアや、我が国の井原西鶴のような人の書いたものの方が、2024/04/01

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