岩波文庫
カラクテール 〈中〉 - 当世風俗誌

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  • サイズ 文庫判/ページ数 283p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784003251621
  • NDC分類 954
  • Cコード C0198

出版社内容情報

モラリスト,ラ・ブリュイエール(1645‐1696)の眼は17世紀フランスの風俗の諸相――女性の心情,文学作品,宗教界,思想の流行,社会の陋習――に向けられる.特殊個別の事例から人間の永遠普遍の像が犀利な筆によって,さまざまに描き分けられる.モデル論議で当時の社交界を大きく沸かせた.モンテーニュの「エセー」とならぶ真摯な人間性探究の書.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

16
17Cフランス風俗(表紙見返し)。 人生訓のようでもある。 立花隆氏が註も無視するな、ということで、 その小さい字をみると、掘り出し物がある。 「立身出世」とはbelles fortunes といふ 複数を仮に訳したので、若き帝王を囲繞して 彼と遊びを共にした幾多の家来の出世・ 立身と致富・を意味してゐる(35頁)。 訳者も苦労していることがわかる。 貧乏が犯罪の母だとすれば、 叡智(エスプリ)の欠如はその父(145頁)。 2014/04/24

roughfractus02

8
テオプラストスの翻訳に自身の箴言を小さな文字で添えた初版から、自身の言葉を増補して8版を重ねた本書では、皮肉と機知で道徳や教訓を表す箴言の後継であるマキシム(格言)とは別に、描写によって様子や人となりを表すポルトレ(肖像:Portrait)が多いという。ラ・ロシュフコーの辛辣さに比して著者の言葉がマイルドな印象を受けるのは、後者の割合が多いからだろうか。ともあれ、本巻での著者は貴族から農民までの多方面から、ルイ14世の治世の政治外交や階級社会の歪みをポルトレを駆使して描く。風俗誌は歴史描写を発明するのだ。2022/05/27

オカピー

7
第11章「人間について」が面白かったです。40・「人は老年を恐れる。果たしてそこまで到達するかどうかも確かではないのに。」41・「人は老いんことを願い、老衰を恐れる。換言すれば、生を愛し死を避けるのである。」・・年を取りたくないとは願うけれど、年齢を重ねることにあまり悲観的になってもいけないし、どうなるかわからないことも今後あるかもしれず、まあ、気楽に気長に生きていきましょうということでしょうか。2025/01/13

Fumoh

3
中巻は「朝廷」「貴顕」「志尊・国家」「人間」「判断」と章分けされています。ところどころ昔言葉なので読みづらいですが、語っていることはそれほど難しいことではありません。ラ・ブリュイエールはどちらかと言えば道徳家に近く、民衆の味方ではないように思えます。もちろん貴族の味方でもありませんが。風紀紊乱とした当時のフランスを嘆いている文章が多く目立ちます。2024/04/01

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