出版社内容情報
我々が「舌きり雀」や「カチカチ山」の話をいつまでも忘れないように,フランス人の心には美しい詩の形で聞かされたラ・フォンテーヌ(一六二一―九五)の『寓話』が深くしみこんでいる.蝉や蟻や烏や狐などが自由にものを言い行動して人生の知恵を知らぬ間に身につけさせる.フランスの偉大な古典であり,楽しい教科書である.
内容説明
われわれが「舌きり雀」や「カチカチ山」の話をいつまでも忘れぬように、フランス人の心には美しい詩の形で聞かされたラ・フォンテーヌの『寓話』が深くしみこんでいる。蝉や蟻や烏や狐などが自由にものを言い行動して人生の知恵を知らぬ間に身につけさせる。上巻には第1集を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
18
1668年初出。 寓話は2つの部分から成る。 ひとつは肉体。 もうひとつは魂(37頁)。 「9 都会のネズミと田舎のネズミ」で、 都会のネズミが鄭重に、田舎の ネズミを招いてごちそうした(84頁~)。 都会のホオジロの骨つきは 確かにおいしいが、 敵である人間が来て邪魔された。 田舎では自慢できるものは出せないが、 ゆっくりと(敵の心配なく) 食べられるという。 どっちがいいのか? 現代の人間も、安全か美味か、 どっちをとるのかな? 2014/06/05
viola
8
イソップが基になっているものが多いので、そちらを先に読みました。イソップと比べると、敢えて比べるならば――此方の方が面白いかな?という気がします、程度です。気になるのは、動物の寓話を述べた後にいちいち「これは人間社会にも当てはまります」という旨を言い、わざわざ「誰々のことである」と言うのが結構あるということ。誰だって風刺してることは分かるのだから、それを言っちゃ台無しだと思うのです。お気に入りは、「ワシとフクロウ」。こういうのは好きなのですが。2012/11/23
名言紹介屋ぼんぷ
5
「ひとはみんな自分は友だちだという。だが、それに心を許すのは気ちがいだ。友だちという名称ほどありふれたものはないし、そのほんものほどめずらしいものはない。」2022/12/25
刳森伸一
2
フランス人の心象に今も残るという寓話だが、思っていた以上にイソップ寓話の影響が強く、あまりフランス的なエスプリ等は感じられず、愚直な教訓譚が多い印象。2021/04/18
マサコサマ
1
仏語授業用。原文はもちろん、日本語で読んでも、いかようにも受け取れる含まれるものの多い文章で、ムツカシイ。フランスの子供たちはこれを暗唱させられるのだとか。2013/03/11