出版社内容情報
ロスタンの筆により一躍舞台の英雄となったシラノ(1619‐1655)は,17世紀フランスの詩人,小説家.剣をとっては無双,決闘すること数知れず,戦争に参加して重傷を負い,文筆生活に入る.梁の墜落により不慮の死をとげるまでの36年の生涯は,波瀾重畳,奇言奇行にみち,その文学もまた痛烈な批判諷刺にみちている.
内容説明
『日月両世界旅行記』は、月世界と太陽,ロケットや気球まがいの着想、鳥の王国、別世界の住人との対話など、奇想あふれる二篇の滑稽譚、天地創造、霊魂不滅とキリスト教思想の枠を次々に破壊し、17世紀フランスの社会と制度を痛罵する、大胆な諷刺と政治観―自由思想の風雲児、〈鼻のシラノ〉の、SFに先駆けるユートピア小説、代表作。新訳。