出版社内容情報
ハウプトマン(1862‐1946)27歳の,戯曲第一作.上演初日,非難と賞讃,悪罵と喝采で場内は騒然となり,終幕には嘆美の拍手が勝利を占め,作者は歓呼の声に三たび呼出されたという.悪徳と病毒に腐敗した環境のために清純な娘が破滅へと追いやられる過程を描いた自然主義悲劇.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
lico
1
思っていたよりポリティクスな内容だなと感じた。所々から当時の社会情勢が見え隠れしていて興味深い。ヘレーネは家に押さえつけられる女性を表しているように見える。現状から必死に逃げようとする様は20世紀以降本格化する女性の権利拡大運動の先駆けに見えないこともない(もっと言えばそういうのはイプセンの『人形の家』の方が早いのだろうけど)。 でもそうすると最後は結局家柄からは逃げられないという見も蓋もない落ちになってしまうのがわりと残念。そこら辺は19世紀の限界なのかなあと勝手に考えてしまいました。2015/06/03
meirokun
0
結末がとんでもない。上げて上げて、観客の心をどん底に落とす。ヘレネエもロオトも一杯青春していて、活き活きしてる印象。ヘレネエは尽くすタイプ。2010/07/15