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岩波文庫
歌の本 〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 258p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003241813
  • NDC分類 941
  • Cコード C0198

出版社内容情報

激動の時代を熱烈に生きて戦った詩人ハイネ(一七九七―一八五六).祖国ドイツでの彼の評価はめまぐるしく変わり,ナチス支配の時代には完全に抹殺されさえしたが,その秀麗な抒情と卓抜な批判精神は,国境を越え時代を越えて数多くの読者を持った.一八二七年刊の『歌の本』は,青春時代の抒情詩の集大成で,シューマンらの作曲で愛唱されている.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

20
1827年初出。 時折見られる挿絵が なかなかよい。 「さて おれは 呪文で」 の一節で、 「一度でも あのひとを いだきたい 火のような この胸に かかえたい 一度でも くちびるや あの頬に 死ぬほどの よろこびの 接吻したい」 (60頁下段)。 ひょえぇ。という感じかな。 ハイネはデュッセルドルフ生れ (249頁)。 ロマン主義者だが、 おそろしいものや、 身の毛のよだつものへの偏愛も 認められる(解説、257頁)。  2014/06/05

双海(ふたみ)

13
またハイネさん読んだよ。失恋ね・・・うん。下巻を読むのが楽しみです。2014/02/20

しんすけ

6
ハイネの詩は、いつの世代になっても興味深く感動的である。失恋の苦悩と死の恐怖が、混然一体となって郷愁を漂わせる。だがそれだけではないのがハイネなのだ。これは説明できるものではないから読んでもらうより仕方ない。/ところで棺がそんなにも/大きく重いそのわけは/わけはといえば このおれの/恋も悩みも入れたからさ/ これは文庫上巻最後の詩、「やくざなむかしの」の最後の六節にあるもの。ハイネの詩全体を象徴している感がある。冒頭近くの「じつにふしぎな」には主人公の墓穴を掘る女の絵が掲載されている。2017/12/06

ダイキ

6
「最初の詩作品! それらは、手もとにあった色あせた紙に書かれたものに違いない。その何枚かの紙のあいだに、しぼんだ花や、金髪のひとすじや、くすんだリボンの切れはしが、はさまっていたりしているものだ。そして、多くの箇所には、まだ涙のあとが見えるに違いない。……けれども、最初の詩作品が印刷されてみると、おそろしくすべすべした紙の上に黒光りする活字の文字が並んでいて、もはや作品の思い出もなつかしい処女のような魅力がなくなってしまって、作者に、ぞっとするような不快な気持をおこさせるのである」(第二版の序)2016/08/17

tieckP(ティークP)

5
ハイネの詩や文を読む機会はあるのだが、『歌の本』として読んだのは初めてである。ハイネからの抜粋を読むたびに僕はアンビバレントな感情が湧いていて、この人は頭もセンスも良いが、好み次第で無理筋の悪口を言い過ぎではないかと思っていた(ロマン主義者はもとから不幸な人を除き、たいていゴツンとやられている)。しかし、失恋を元に自分の技術を試したこの処女作の前半部を読むと、噛みつく理由も権利もあったのだ。今で言えば「ハズい黒歴史」が残ってしまっていて、彼はこの自分の感傷を招いたロマン主義を自傷的に叩くしかなかった。2021/09/26

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