内容説明
貫之、業平、小町が、そして名も知れぬ読み人たちが和漢の教養をふまえ、技巧の妙をつくした繊細な言の葉で四季を歌い、恋を嘆く。わが国初の勅撰集。
目次
物語を担う歌人
古今和歌集(勅撰集について;古今和歌集の成立の背景;古今和歌集の成立の経緯;古今和歌集の組織と内容;古今和歌集の部立と配列;古今和歌集の詠風と表現;古今和歌集の意義と影響;四季の歌抄;恋歌など)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新田新一
38
『古今和歌集』の魅力を豊富な図版と共に紹介した本。私の好きな作家田久保英夫が序文を寄せています。本当に美しい本で、読めば読むほど眺めれば眺めるほど、愛着がわいてきます。前田青頓による「紅白梅」をあしらった表紙からして美しいです。昔書道をやっていたので、『古今和歌集』をめぐる書の美しさに感動。繊細で流麗な筆で書かれた書そのものが芸術だと感じました。2025/02/07
maekoo
6
万葉集の良さを享受し初の勅撰集として土佐日記の紀貫之らが業平や伊勢・小野小町等女流歌人も含む様々な歌人の歌を編纂! 革命的な「かな文字」文化が比喩を深化させ、季語・季題をもたらし、枕詞・掛詞・縁語・見立て擬人法等で表現の幅を広げ、和歌を日本の風土に合った日本独特の文化に引き上げてくれた事が知れます! 古今集の恋愛や四季等その移り変わりを時間軸で表現するこの編纂方法は後の歌物語や源氏物語等の作品形成に大きな影響を与えた事も解ります! 沢山の和歌とその歌人も紹介しており入門者もマニアも愉しめる啓蒙書!2024/12/18
がんぞ
0
四百年の平安時代に日本の感性は大陸&半島と大きく乖離した。肉食を停止したことも関係する?(牛乳を貴族は飲んで居て、武士には教えな苅ったらしい)いずれにしても食生活の歌はほとんどない。藤原氏は「男子が産まれない」ことで摂関の地位を失ったが、シナなら赤ん坊すり替えぐらいはするだろう。「命なりけり」の歌にあるような諦観、それは作品中だけのものだろうか。世界初の長編リアリズム小説など女性が文芸創作の主役であったのも驚異。この本では絵巻や扇面など美しさで【永続性】を得んとした宝物をグラビアで紹介。勅撰の栄光とともに2014/09/07