感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
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2016年113冊め。シラーの4作目の戯曲。太陽が沈まない国と言われた最盛期のスペインの宮廷。王子カルロスはフランスのエリザベト王女と婚約していたが、父王フェリペ2世は政略のためにエリザベトと結婚してしまう。カルロスを慕うエリザベトの女官エボリ公女、王妃に愛されず孤独に悩む父王らの思いが絡み合う。王子と親友のポーサ公爵の、「走れメロス」で「泣いた赤鬼」風の話がハイライト。2016/02/20
MaRuTaTSu
1
過去の研究や議論のおいて、この作品の真の主人公は誰かということがテーマになっているみたいだが、自分としては、この作品は間違いなくドン・カルロスの物語だという意見。ポーサはあくまで話の展開に関わる人物。 ただ、第三幕第十場における彼と国王フェリペ二世との対話の場面明かされるポーサの夢見る社会やその思想は、シラーの詩『歓喜に寄せて』の一節を思わせるような、本当に素晴らしいものである。2011/06/08
adhvanya
0
「人を助けたいならまず人並みになってみなければならない」これはいい言葉だ。2011/06/08
彗
0
自分の婚約者であった人が父と結婚して母になるという話だ。親子関係も悪いに近く、そんな父との衝突も多い。人間関係に呑まれる登場人物が読んでいてすごく辛い。 ポーサ侯は、カルロスのことを第1に考え最後は死に至る。他人を第一に考える人が悲しい結末に至るのはフィクションでも同じなんだと思った。2024/07/16
茅野
0
引越しで紛失してしまったので、買い直して再読。宮廷劇の大傑作。2022/03/09