出版社内容情報
銀行資本による農業機械化のため故郷の地を追われたジョード一家は,仕事を求めて緑の地カリフォルニアへ長い苦しい旅をつづけて移住するが,ここでもすでに労働者はあり余っていた.作者はアメリカの三十年代の社会をリアルに描き時代の病弊をえぐると同時に,あらゆる苦難に立ち向かって雄々しく戦う人間の姿を感動的に物語る.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
A.T
16
ルート66旅の後半、自動車のスクラップの山のわきから現れた人生のすべてに飢えた片目の男。移民たちが寝泊まりするキャンプで宗教活動を行う巫女のような女、そして雇用主を名乗る男らの罠にかかり逮捕される旅の仲間ケイシー。ドラマの舞台はボロをまとい、皮の垂れ下がった姿をさらす貧民窟を転々とすることに。その中でも大恐慌時代のホームレスがキャンプしていた場所、フーヴァーヴィルの存在を初めて知りました。2017/07/02
スイ
10
ねーーーえーーー!!面白過ぎるんですけどーーー?! カリフォルニアにたどり着き、「楽園」の実態を目の当たりにする主人公一家。 ポロポロと家族が欠けていき、胸が苦しくなるが、彼らの生きようとする姿に読んでいるこちらの内にも力が湧くようだった。 一家を描く「寄り」の章と、様々な立場から見る同時代を描く「引き」の章が交互になっている構成も見事。 下巻が楽しみだ。2017/08/02
秋良
4
【G1000】貧しい一家の描写に心が痛くなる。出来るだけ人件費を安くして人をこき使うって、今の日本と全く同じ。いつだって儲けてるのは現場を見ない上の人間だけなんだな。2016/06/06
半べえ (やればできる子)
0
★★★★ 旧新潮文庫で読む
1977年から
0
1982年