岩波文庫<br> 響きと怒り〈上〉

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岩波文庫
響きと怒り〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 391p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003232347
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

斬新な語りの手法と構成で、新しい文学表現に挑んだフォークナー(一八九七‐一九六二)の最初の代表作。語り手たちの内的世界のかなたに、アメリカ南部を舞台とした兄弟たちの愛と喪失の物語が浮かびあがる。フォークナー自身この作品をもっとも深く愛した。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

144
予備知識がなくて慣れるまで時間がかかった。誰が誰なのか、名前と相性の違い、会話と心のつぶやき、男と女、家族と使用人、何が何だか…。全く知らない誰かの頭の中に突然入り込んでしまい、その人が今いる現場を彼の眼を通して見て体験し、同時に頭の中の考えや回想をも共体験するとでも言おうか。ようやく慣れたあたりで、過去に戻る。過去とは章のタイトルからそう判断するのだが、過去とも言えない。しかも読者が入り込む頭が変わっている。戸惑いながらも先へ先へとページをめくる。みんな傷を抱え、癒せない心を誰かにぶつけているみたい。2016/08/20

buchipanda3

113
かつてのアメリカ南部名家のある家族を描いた長編小説。読み始めるとその独特な文体に翻弄された。でも慣れると何だか病み付きに。著者の他の作品でも見られたが、最初の章は特に記憶の連鎖による意識の変則的な流れが頻出する。さらにベンジーの語りに違和感を持ったが、その理由が徐々に明かされてなるほどと、その表現手法に思わず合点した。コンプソン家を包み込む空気感、子供たちの幼少時から成長した年月の出来事を描いた物語は、長男のクエンティンの苦悩とスイカズラの湿った匂いを交錯させながらある結末へ向かう。その先を追って下巻へ。2022/10/30

のっち♬

108
米国南部の特権階級であるコンプソン家の没落と崩壊の物語。第一章は白痴の三男による語りで、時点が複雑に錯綜した場面転換に加えて脈絡のなさが特徴的。第二章は自殺を前にした長男によるもの。妹への純潔意識による数々の言動や挫折が何とも悲痛で、重度の抑鬱状態に陥った終盤の文法を無視した取り止めのない語りは切羽詰まってて重苦しい。イタリア人少女とのエピソードは彼の人柄がよく出ていて印象深い。父親と論争を繰り広げる場面も著者ならではの迫力。どちらも従来の小説構造からかけ離れた実験性の高い叙述手法が体感できる充実した章。2018/01/07

NAO

41
輝かしかった過去だけを見つめ絶望しながらも、アメリカ南部という土地の呪いに縛り付けられたコンプソン家。時系列がバラバラだったエピソードをつなぎ合わせて、ようやく見えてくる一つの出来事。その出来事が家族に落としていく影が、知的障害を持つベンジーの視点から、長男クェンティンの視点から、描かれていく。ベンジーやキャシーにはこの土地に生きる者の泥臭さと強さがあるが、クェンティンの線の細さはあまりにも痛々しい。2015/09/06

zirou1984

41
『アブサロム、アブサロム!』以来久々のフォークナーだが、やはり彼は凄い。標準の字体とゴシック体を使い分け、ゴシック体の箇所は基本的に内面の描写に当てられているのだが、本作ではそれを意図的に脱臼させる事によって時に内面の世界が現前化し、逆に現実が内面の世界の様に非現実化されている狂人の世界観を再現してしまっているのだ。一部では白痴のベンジー、二部では強烈なトラウマ体験を持つクウェンティンの視点によって記憶と現実が混濁した物語が紡がれていき、コンプソン家を襲った悲劇が徐々に輪郭を帯びていく。この勢いで下巻へ。2013/07/04

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