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岩波文庫
隊を組んで歩く妖精達 - 其他

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  • サイズ 文庫判/ページ数 232p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784003227817
  • NDC分類 388.339
  • Cコード C0198

出版社内容情報

ケルトの後裔の住むアイルランドの地には古来いくたの豊かな神話や伝説が行なわれてきた.しかしゲール語で伝えられたため,世界に広く知られるには19世紀以後のアイルランド系作家や翻訳者の努力を待たねばならなかった.そうした運動の生んだ,詩人イェイツ(1865‐1939)の編に成る秀れた民話集から特に日本人に親しみやすく面白い作品を選訳.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

67
イェイツによるアイルランド童話集。読んでいるとキリスト教以前のケルトの感性が胸に染み渡るよう。隊列を組んで歩く妖精たちとの交感や妖精に取り換えられた子を取り返す話、人魚との飲み会やキリスト教だと魔女、魔法使いとされたであろう巫女や妖精学者の話。キリスト教に平坦に均されたような欧州文化だけど、一皮地層を剝けばこのように豊饒な民話が横たわっていたんだなあ。どことなくグリムに通じるところがあるような。著者のケルト復興運動に思いを馳せると共に、失われた文化が妙に蠱惑的に思える一冊でした。独特の魅力がありますよね。2023/06/18

ぱせり

15
お話のテーマを九つの項目に分けて、お話とともに項目ごとの短い解説がつくが、この解説が時には物語以上に興味深く、妖精事典のようで楽しかった。欲を言えばもっと沢山読みたかったなあ。巨人の豪快なお話が好き。ちまちまっとした策略の物語の筈なのに、何もかもスケールが大きいので豪快な物語を読んだようで気持ちがよいのだ。2014/05/13

ぼんくら

12
イエイツ編のアイルランドの昔話集。初版は1935年。岩波書店の100周年の記念リクエスト復刊。「隊を組んで歩く妖精達」「替へ子」「人魚」「一人ぼっちでいる妖精達」「幽霊」「巫女、妖精学者など」「巨人」「王様、王妃様、お姫様、殿様、盗人など」2013/05/21

ブラックティー

3
イエイツ編によるアイルランドの民話集。初版は1935年。グリムやアンデルセンと似通った話もありますが、ケルトの息吹が感じられるようなアイルランド独特の物語もたくさん収められています。たとえば、放蕩の報いとして死体を背負って墓地を彷徨う羽目になる「ティーグ・オケインと妖精達」、酒呑みのメロウ(人魚)が登場する「魂の檻」、12人の妖女たちに突然家を占拠されてしまう「角の生えた女」、プディングを食べた人々を踊らせ続ける「魔法のかかったプリン」など。なかなか強烈な印象の話ですが、どれも大変面白かったです。2013/03/02

cue.1

1
○イェイツ編纂の神話伝説集「Fairy and Fork Taies of the Irish Peasantry」から選抜された日本訳版。童話集と改題されたことへの疑問はさておき、イェイツは詩より、伝承と幻想文学をつなぐ本作のような仕事が、私にはよりピンときます。口承にはない文学的な比喩も見られ、キリスト教社会で異端視されていたモチーフ(魂が蝶になる、小人や妖精や死者と交わるケルトの暮らし)に溢れる本書は、問題提起にも読める坊さんのお話にヒヤヒヤすることに始まる、濃厚な一冊でした。→2015/01/07

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