出版社内容情報
19世紀のイギリス,そこでは新たに富と権力を手中に収めた中流階級とその搾取にあえぐ労働者階級との対立がようやく烈しさを加えつつあった.著者(1822‐1888)はこの歴史の転換期の中に俗悪と偏狭,無知と狂暴を見,これを克服する道は真の「教養」にこそ求められると説く.イギリス資本制の諸矛盾を如実に描いた文明批評の代表的古典.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
33
副題が、政治・社会評論である。「現代の社会では、充実した、価値ある生活を送るか送らないかは、その日のうちに読書するかどうかによってきまる、いな、もっと、その日のうちに何を読むかによってきまる」(11頁)。肝に銘じたいところ。教養は自分の生来の低俗なものに対する趣味を崇高なものに対する愛好と思いあやまってはならない、と主張する(47頁)。高尚と低俗を越えるものが教養なのか。教養と不満の関わりも大事(66頁)。教養は優美と英知に対する熱意をもつ(87頁)。無秩序な人民の弾圧(あとがき290頁)の時代の作品。2013/12/14
U
26
動くこと、食べることや飲むことなど、体つかうことに大さわぎしない。そうした大さわぎは、精神が繊細に陶冶されていない状態。精神と品性を養うことを、一番の関心事とすべき。納得。2015/07/12
ノーマン・ノーバディ
0
そろそろ新訳があってもいいのでは?2021/05/04