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岩波文庫リクエスト復刊
炉辺のこほろぎ

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  • サイズ 文庫判/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003222935
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

死んだはずの青年の思いがけない帰郷を中心としておこる悲喜劇.妻の純潔を疑わずにはいられなくなって煩悶する善良な夫,無害な人びとをいじめて楽しむつむじ曲りの老人,盲目の娘の幸福のためにわが身を削る哀れな父など,登場人物はいずれも貧しさか不幸かを宿命的に背負わされており,作者は溢れる涙の中から彼らの幸福を祈る.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

116
不似合いな結婚を控えた玩具屋のパーティーに招かれた運送屋は、目にした光景から妻と先日連れ帰った老人の不義を疑う。蟋蟀の鳴き声が家庭の妖精となって結婚生活を問いかける中編寓話。発想自体独特だが、やかんや暖炉や時計等の無生物の擬人化を絡めた自在なレトリックも著者しかできない芸当。盲目は風刺的メタファーとも取れ、金の力に屈しない恋愛劇や産業社会に生きる人々を分け隔てなく放り込むパーティーなど、彼らしいヒューマニズムがよく出ている。ドラマチックな幕切れの余韻も強烈、現状とは程遠いからこそ物語に希望を託すのだろう。2022/03/17

まふ

6
訳文が古過ぎて読みにくく、途中でギブアップ。クリスマスキャロルなどの系列でありディケンズの名作らしいが、いわゆるディケンズらしさが感じられなくて、途中で放棄。挫折感。次回はもっと読みやすい訳文で読もう。2019/02/06

qoop

6
著者らしい誇張された登場人物は中編のページ数だと書き込みが出来ないせいか紋切り型の域を出ないが、ケイレブとバアサのやりとりは印象に残る。これまた人情話の定型と云ってしまえばそれまでだが、現実の風景と盲目の少女の想像との対比は小説ならではの構成だと感じた。ただ、周囲に人がいる中での内緒話などの展開に見られる不自然さは、むしろ舞台芝居のようで小説的ではないようにも思える。著者は自著を観衆の前で朗読する習慣があったそうだが、そうした点が作劇に影響しているということはないのだろうか、とふと。2018/04/02

ぱせり

5
炉と人とがいる光景が好きだ。炉のまわりで繰り広げられる人びとのいきいきした生活の物語は、ときどき、幻影にかわる。炉の妖精が見せる幻だろうか。人びとのいきいきとした表情と、命の気配のない(ような気がする)光景とが、混ざって、どれが幻なのかわからなくなる。幻影はもう幻影ではないような気がし始める。 2018/06/12

Fumi Kawahara

4
いつもの「図書館の予約本を待っている間の積読本消化」。1935年の初版ものを復刊しただけあって、旧仮名遣いに旧漢字。いやぁ~慣れない慣れない。しかぁし。ベタな時代劇好き、勧善懲悪ディケンズ好き人間としては、「うむ。これぞディケンズ!」なので、大変ベタで良かったです。って、これ、『我らが共通の友』縮小版では・・・?ところで、ディズニーの『ピノキオ』を読んでる最中に思い出したんだけど、英米における「コオロギ」ってのは、良心とか精霊とかなんですかね。虫の鳴き声を鑑賞する文化はないと思ってたけど、間違いかも。2020/10/22

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