出版社内容情報
ローマ法博士会で働きはじめたデイヴィッドは,少女のようにあどけなく,愛らしい女性ドーラと出会い,ぞっこんに惚れこんでしまう.そして,セーラム学園時代の旧友トラドルズとの再会も果たし….新訳.(全5冊)
内容説明
ローマ法博士会で働きはじめたデイヴィッド。少女のようにあどけなく、愛らしいドーラと出会い、すっかりそのとりこになってしまう。久しぶりにセーラム学園時代の旧友トラドルズにも再会したデイヴィッドだったが、そうこうするうちに、エミリーが…。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
115
法律事務所に入ったデイヴィッドは上司の娘ドーラと恋に落ちるが、次々と悲劇が降りかかる。未成熟な少年少女の恋愛劇がメインとなる3巻。ステアフォースは下流を踏みにじって省みない上流の非情さを象徴している。エミリーにしてもデイヴィッドの母にしても無思慮が招く男女関係は殊更ヴィクトリア朝において被害者になるのは女性側だった。大伯母の破産で踏み止まれなかったデイヴィッドの過失はいくら弁解しようが拭えまい。聡明で意思が強いアグネスは特に謎の多い人物像だ。主体性のなかったヒロイン造形がアメリカ視察以降変化してきている。2017/08/23
syota
30
大きな運命の変転が、社会人となったデイヴィッドにも周囲の人物にも襲いかかる。平穏だった前巻とはうって変わり波乱万丈の展開で、話がぐっと締まってきた。困難に直面した登場人物がいずれもめげずに前を向いて歩んでいるのも、脇役が生き生きと輝いているのも、いかにもディケンズらしくて好感が持てる。唯一、ドーラだけはあまりに浮世離れしていて苦笑するばかり。その世間知らずぶりは「あの人達は、パンがないのならなぜお菓子を食べないのでしょう?」と言った(という)マリー・アントワネットにも負けていない^^;)2016/10/25
コニコ@共楽
20
岩波文庫の訳が気に入ったので、こちらで続きを読んでみる。物語は青年期の佳境に入っていく。デイヴィッドにとっていわゆる”運命の人”ドーラに会うことになるのだが、彼女はデイヴィッドの母を思わせる世間知らずのお嬢さん。デイヴィッドの経済状況が悪化する中、この恋愛はどう展開するか?また、ユライア・ヒープに雇われることになったミコーバはどうなっていくのか?ディケンズはつくづく伏線が巧みだと感じる。続きは次巻へ。2022/06/08
俊
17
主人公とその周囲の物語に大きな動きがある巻。平和な展開続きで中だるみしかけていたのが解消されて俄然面白くなってきた。2015/07/06
たつや
16
恋するコパフィールド、揺れる想い。就職、キレるおばさんサクサク読めるが、同時進行で、いろいろ起こるので、きちんと感情移入ができなかった。ただ、ユライアが言った、「裸一貫から築くのはお金ではありません」のセリフは名言かな?と思ったのに、フェードアウトしてしまった。気のせい?読み方が悪いだけ??2016/05/10