岩波文庫
床屋コックスの日記/馬丁粋語録

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  • サイズ 文庫判/ページ数 220p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003222775
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

「虚栄の市」を書いたサッカレ(1811‐1863)初期の滑稽小説.「床屋コックスの日記」は,にわか成金になった主人公が上流社会の仲間入りはしたものの失敗また失敗で,わずか12カ月でもとの木阿弥,床屋にまいもどる話.「馬丁粋語録」は,転々と奉公先をかえる一馬丁が,ゆくさきざきでのぞく主人の家の内幕を面白おかしく説き語る話.挿絵=ジョージ・クルックシャンク

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新田新一

7
「床屋コックス」は遺産によって、急にお金持ちになった床屋の話。上流階級の仲間入りをしようとするのですが、失敗して結局元の職業へ。昔の仲間たちが、温かくコックス一家を迎い入れてくれるところが素晴らしい。「馬丁粋語録」は、抜け目のない主人に仕える下男の苦労を描いています。ドーバー海峡を渡る船旅の苦労の描写が興味深かったです。どちらの物語にもサッカレー自身の絵が添えられています。ユーモアを感じる味のある絵で、サッカレー自身の小説の作風と似ている気がしました。2023/09/08

きりぱい

7
床屋のコックス一家は、思わぬ転がりこんだ遺産で大金持ちに。上流社会に入り込もうと躍起になっている妻も俗物だけど、にわか成金の一家をのけ者や笑い物にし、体よくカモにする上流の人々の俗物ぶりも浮き彫り。鈍いほど正直に生きているだけなのに、振り回されてひどい目にあう様子が滑稽にも気の毒で、その様子が挿絵で一目瞭然だったりするのも面白い。反省の見えない妻への啖呵にはすっきり!馬丁が語る主人たちの話も面白い。どちらもイギリスが舞台なのに江戸モノを読んでいるような口調が独特。2011/09/30

ひでお

0
この本の物語の語り手は、みんな庶民なので、なんだか親しみが持てます。思いもよらず金持ちになったりしますが、それでもやっぱり根は庶民。それを辛いとか苦しいとか思うのではなくて、金持ちを笑い飛ばしてしまう明るさと力強さがあります。江戸落語を思わせる江戸下町言葉で訳された文章も軽快で、楽しい本でした。2017/09/09

timeturner

0
ヴィクトリア朝の江戸っ子(笑)。2012/04/23

だちょう

0
サッカレーの滑稽小説なのだが、この本、1951年の翻訳なので、翻訳された日本語が古くて面白い。例えば「ブマな」とか。多分ドジで間抜けみたいな意味っぽい。あとはトランプのことをカルタって翻訳してたり、オペラのバルコニー席を張り出し桟敷と訳してたり。個人的にすごいなと思ったのは、サッカレーの詩(The Speculators: A Ballad of Policeman X)を漢詩風に翻訳してるところ。本来のサッカレーの文章ではなく翻訳の妙技を楽しんでしまった。2024/08/15

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