岩波文庫<br> 人間論

岩波文庫
人間論

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  • サイズ 文庫判/ページ数 184p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003222416
  • NDC分類 931
  • Cコード C0198

出版社内容情報

これは18世紀のイギリス文学を代表する書簡体の哲学詩である.ポウプ(1688‐1744)は理神論と楽天思想とを巧みに折衷して,手際のよい格言風の表現の面白さをだすことに成功した.シェイクスピアについでしばしば引用される名文句を含む本書は,イギリス文学を志すものの一度は通らねばならない関門ともいえよう.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

10
上田氏あとがきによると、ポウプはひどい癇癪持ち(160頁)。わたしもあの自営業だけは許せん。加藤諦三先生に叱られるが。旧→新字体へ。「人間の仕事は、いかに苦しんで骨を折つても、千の働きが一つの目的を達しないこともある」(18頁)。馬齢を重ね学位に至らず。自戒。「人間は幸福ではない、然し常に将来に幸福を期待する存在」(21頁)。人間の幸福は「人間不相応の行動や思考をやめること」(27頁)。身の丈に合った幸せの追求か。「自愛は貪欲で、目的の骨までしやぶるが、理性は蜜を吸つて、花を傷つけない」(42-43頁)。2014/01/31

Nemorální lid

3
著者ポウプは『気の毒な人間と言えばまことに気の毒な人間』(解説 p160)であり、また『病的な虚栄心』(解説 p.161)の持ち主であった。改竄や小細工を弄して世間態を繕うポウプから人間の弱さや複雑さを見出すのは容易い。だが、こうした人間性と作品は乖離して考えるべきなのかもしれない。現に彼の著した書簡体の詩は崇高と才気とを兼ね揃えており、様々な批判を買いながらも『引用される有名な言葉も少なくなく、その点ではシェイクスピアに次ぐ地位にある』』(解説 p.182)とは基底に価値が見出される証拠であると考える。2018/07/22

47

2
言葉の選び方、響かせ方がうまいと思った。加えて訳者によるあとがきがかなり充実していて面白い。というか、あとがきまで読むべき。彼はなんと「人間的」であったことか。「思いあがりや、誤りやすい判斷にもかかはらず、一つの眞理は明白だ。――すべてあるものは正しいのだ。」「すべて死に行くものは、他のものを補充する。(我らは交互に生の息吹をとらえ、死ぬのだ。)物質の海に生れる泡沫のやうに、作られ、壊れて、その海に歸るのだ。」2011/11/04

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