出版社内容情報
子殺しの罪に問われて偽証し死刑を宣告された妹の，無実を信ずる姉は，女王に助命嘆願すべく徒歩の旅に出る．敬虔なキリスト教徒であった彼女の真実を貫く勇気と深い愛情は女王の心を動かし，妹は釈放される．やがて姉は幸せな生活に入るが，妹には不幸な運命が待っていた……．作者（1771‐1832）はすぐれた描写で姉妹の生涯を語りつづける．
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
15
１８１８年発表（３頁）。 スコットランドの上流階級は怠惰、 傲慢、粗暴で、党派に分れて 放縦気儘な振舞をしていたので、 いたるところに紛争を挑発する 原因と憤激する傾向があった（１６７頁）。 よろしくないな。 ただ、真に気高いスコットランド精神をもった 貴族や、裁判官たちと手を握りあって、 紳士、市民、庶民が一つの目で見、 一つの耳で聴いて、 結合した力で市の中心を支えていた（３１７頁）。 2014/05/19
Hiro
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古い岩波文庫の読みにくい活字ではあるが一応新字新かなではあるし、物語に入り込むとそんな、本の体裁のことは気にならなくなって、スコットランドエディンバラの爽やか空気と清々しい青空に包まれて読み進めた。不案内な宗教的な言及を除けば、世界中普遍的な人間の愛情と誇りと道義の物語が展開し実に興味深い。スコットの本は今はアイヴァンホーぐらいしか手軽に読めるものがないのは非常に残念だ。もっとたくさんの翻訳ができれば文庫で読めるようにならないものか。2021/08/14
