岩波文庫
アイヴァンホー〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 490p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003221921
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

ウォルター・スコットの歴史小説は,その劇的な筋運び,豊かな自然描写の魅力,取材範囲の広さにより全ヨーロッパ文学に大きな影響を与えた.本書は,武勇並びなきアイヴァンホーの騎士とロウィーナ姫とのロマンスを中心に,獅子王リチャードが変装する黒衣の騎士や義賊ロビンフッドが縦横に活躍する痛快無比の物語である.

内容説明

黒衣の騎士たちの奮戦で囚われの人々は救出された。だが、傷ついたアイヴァンホーを献身的に介抱してくれたユダヤ人の美少女レベッカだけは、敵に拉致され、魔女として処刑されようとしている。アイヴァンホーは彼女を救い出すために決闘に臨む。…1819年刊行当時、記録的な売れゆきで人気を博したイギリスロマン主義の傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

113
黒衣の騎士たちの奮戦により虜囚は解放されるが、魔女として処刑されるレベッカを救うべくアイヴァンホーは立ち上がる。救出劇ではヒーローとしての黒衣の騎士やアイヴァンホー、敵役としてのギルベールの描写に力が入っており、伝統的な騎士道精神が充満している。本作では魔術使いやヘブライの密教信者だと思われて至る所で不遇な扱いを受けるユダヤ人にもスポットが当てられており、商人の娘レベッカの高潔さはヒロインのロウィーナ姫を圧倒する魅力を放っている。民族対立や王とアウトローとの関係性に関しても、著者の冷静な態度が感じられた。2018/08/10

NAO

58
やっぱり起きたかという感じのロウィーナ姫拉致事件。黒騎士とロクスリーの活躍だけでなく、狂言回し的存在の奴隷であるガースとウォンバの活躍が面白おかしくも頼もしい。ノルマン人、サクソン人と敵対関係にあっても騎士道精神をいかんなく発揮する人々が、ユダヤ人に対してあまりにも差別的なのには驚かされる。だからこそよけいに、レヴェッカへの思いに苦悩するギルベールの真摯さや命の恩人レヴェッカのために怪我を押して決闘に出かけるアイヴァンホーの誠実さが強く胸を打つ。2016/10/21

syota

28
攻め落とされる城、正体を明かした国王とロビン・フッド、魔女裁判、騎士の一騎打ちと、西欧の中世世界がパノラマのように展開される。太閤記と暴れん坊将軍、宮本武蔵をいっしょにしたような面白さで、歴史小説というより西洋時代劇と呼びたい。下巻ではやはりユダヤ娘レベッカの毅然とした潔さと、彼女に横恋慕したあげく死の淵に追い詰めてしまい苦悩する騎士ギルベールが際立って印象的。陰影に乏しいリチャード王やアイヴァンホー、ロウイーナ姫といった面々を完全に喰ってしまっている。中世の英国を存分に楽しむことができた。[G1000]2018/04/17

きょちょ

18
王弟を除いて、悪党が悪党らしくなく微笑ましい。悪党その1、ド・ブラシは騎士道精神もあって好感もてるが、すぐ降参してしまう。悪党その2、ギルベール、惚れたレベッカにさんざんコケにされる。ここまでコケにされたら、悪党なんだからもっと手ひどいことをしてもよさそうなのに、どこか間が抜けていて笑ってしまう。悪党どもは一応「悪さ」をするのだが、主人公たちが結束して、その「悪さ」をあっという間に懲らしめてしまう。TVの水戸黄門みたい。もっとわかりやすくして、少年少女向きにすると、若い小説ファンが増えるかも。★★★2016/01/13

きりぱい

12
アイヴァンホーよりむしろ、レベッカへの想いを叶えられない敵役ギルベールにほだされそうになってしまった。アイヴァンホーの活躍の印象が薄いのは特に不満ではないけれど、(勝手に期待していた)騎士道精神にどっぷり浸かるという意味では少し物足りなかったかもしれない。代わりに、サクソン人とノルマン人の対立が歴史背景として興味深かったり、道化の存在やユダヤ人との関わりが活きている。勧善懲悪やロマンスの成就は気持ちのいい展開ながら、高潔なまま消えてゆくレベッカには一抹の寂しさが残る。2009/06/04

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