岩波文庫<br> ワーズワース詩集 (改版)

岩波文庫
ワーズワース詩集 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 225p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003221815
  • NDC分類 931
  • Cコード C0198

出版社内容情報

ワーズワースは十九世紀の最も優れた自然詩人であり,自然のために自然を歌うことに一生を捧げたイギリスの唯一の詩人であった.彼の自然に対する親しみある静観的態度は,自然を愛慕する日本人の共感をあつめ,明治,大正文学に多くの影響を与えた.本書は彼の作品のうち比較的短い詩の傑作を網羅したものである.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

イプシロン

40
この詩集への感想は、読者のもつ自然観が如実に顕われるのだろう。わたしの持つ自然観は、偉そうにもそれなりに広いと自覚していたが、彼ワーズワースの宏大な自然観に見事に自負を打ち砕かれ破壊され、そして復活してもらえた。自然=神や永遠という次元で見つめながら、同時に卑小な人間にも神性を見て、それに気づけぬことを憐れみ嘆く優しさに満ちていたのだ。とはいえ、自然を詠っているかに見えて、政治権力(創造のための破壊ではなく破壊のための破壊という行為)への痛烈な批判もあり、一様な自然観だけでは読み切れない詩集といえるか。2019/09/09

壱萬参仟縁

30
「泉(対話)」で、『彼らは決して愚かな戦いを、自然に対しては挑まない』(57頁)。自然からの復讐、は、エンゲルスだったような気もする。「マイケル」牧歌で、感謝すべき行為には必らず正当な利益のあることを信じて、時には生命を救ってやったり、食を与え、風雨を凌がせてやったりした羊どもの記憶を、云々とある(64頁)。なにか引っかかった。「ロンドン・1802年(1)」は、質素なる生活、高遠なる思索とある(108頁)。暮らしは低く 思いは高く を想起。「そうだ、それは山の木霊」で、人生も愚かさ、情け、闘いにとらわれ、2020/09/11

二戸・カルピンチョ

24
どんな人だったんだろなぁ。自然と人間と神とね。「わが妹に」でのっけから、書物をもつのは止めにして、って諭される。「訪ずれざるヤロー。」では行かない理由を必死に妹に語り、「訪ずれしヤロー。」では行ったのか、しかも妹を連れずに!私には自然の中でこれを読む術が無くて良かった。もし読み込んで、飲み込まれてしまったなら、現代を生きる意味が分からないことに、生きる力を奪われそうだ。2017/04/01

かふ

16
レベッカ・ソルニット『ウォークス 歩くことの精神史』で取り上げられていたイギリスのロマン派詩人は、自然と触れ合うことで精神を高揚させていった詩人である。日本の賛美者の中に国木田独歩がいることから伺われるのは、「風景(自然)」賛美の詩人である。 ワーズワースはフランス革命によって挫折した自由主義思想家(ルソーから得てフランス革命派の共和党びいきだった。イギリスのフランス革命批判をしたエドモンド・バーグとは敵対していく。ホイッグ党)、ただフランス革命にも幻滅するようになり、それ以後自然讃歌へ傾倒していく。2022/10/19

藤月はな(灯れ松明の火)

15
詩よりも短い物語の印象ですね。自然の美しさと人間の営みへのまなざしが優しくてささくれた心が癒されました^^訳も古今和歌集などの和歌のように訳された所もあって親近感が持てました。2011/11/15

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