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岩波文庫
トム・ジョウンズ〈1〉 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 300p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003221112
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

トムは捨て子だった.金持ちの家で快活な少年に育つが悪友のために勘当されて旅に出る.物語は無数の事件やエピソードがからんで発展し,トムの生活も波瀾万丈である.しかし彼は常に純情で小気味よい性格をもち続けて読者をひきつける.フィールディング(1707‐1754)の視野の広さ,精神の健康さが人間性の真実を写し出す.18世紀イギリスを代表する名篇.

内容説明

英国サマセットシャの名望家オールワージ氏が帰宅すると寝床の中に赤ん坊が…。無鉄砲だが正直率直、陽気に生き抜いてゆく捨て子トムの波瀾万丈の物語。法律家、新聞社主宰としても活躍したフィールディング(一七〇七‐五四)の健康な精神が生んだ名篇。

著者等紹介

フィールディング[フィールディング][Fielding,Henry]
1707‐54。十八世紀イギリスを代表する小説家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

125
トムが赤ん坊の時に拾われてから成人するまでくらいがこの一巻。トムの無鉄砲さにハラハラさせられた。育ててもらっている家庭で卑屈にもならないが遠慮もない。彼を拾ったオールワージ氏の公明盛大さと、欠点を責める時にも長所も見つけてほめる態度に感銘を受ける。聖職者や哲学者の二枚舌と偽善者ぶり厚かましさにはあきれた。彼の筆致は、その一世紀後のディケンズに受け継がれたのだなと、つくづく思わされる話の運びの面白さ。だらしないが、無欲で義侠心のあるトムはどうなっていくのか、続きが楽しみだ2016/02/02

NAO

56
大地主オールワージ氏がある日突然自分のベッドに赤ん坊が寝ているのを発見するという奇抜な発想に、つい引き込まれて読み進んでしまう。所詮トムは私生児と陰でトムにつらく当たる牧師や甥の家庭教師と比べて、オールワージ氏公明正大さが光っている。全体的にまだ話の序の口といった感じだが、オールワージ氏の遺言が火種となって、これから一波乱ありそうだ。トムは基本的には優れた精神の持ち主だがよくない面も持っていると書かれているだけに、この先の展開に目が離せなくなりそうだ。2016/04/12

Ryuko

26
捨て子のトムが優しい養父を得て大人になるまでを描く巻。お話はまだまだ続く。第一巻一の章で語られている作家の心得は、現代に生きるビジネスマンにも通じるし、心すべきことと思う。「作家はさしずめ、金さえ出す者なら誰でも歓迎する飲食店の経営者である」2017/07/24

みつ

20
おそらく30数年ぶりの再読。モームの「世界の10大小説」の一番古い作品。出版は1749年というから、西洋音楽でいえばバッハ、ヘンデル存命中の時代(作中の記述でも、ヘンデルが当時の英国で大人気であったことがわかる。p154、p172など)。作者が顔を出して講釈をするのは、100年後の「虚栄の市」まで引き継がれる。宗教論、哲学論が行変えもなく、細かい文字で延々続く部分はさすがに読みづらいが、序で作者が「精神のご馳走の精髄も、材料よりは作者の腕」と自負する「人間性という料理」は、次第に食欲を亢進させてゆく。2021/07/10

ソングライン

18
私生児として生まれ、地主オールワージ家の養子となるトム・ジョウンズ、厳格で融通の利かない牧師と哲学者に教育を受けるも、彼らの思惑とは異なり、思慮は浅いが情と、義に篤い青年に育っていきます。愛する隣人の地主の娘ソフィアへの恋心、ライバルの従兄ブライフィルとの確執、トムの未来はどこへ向かうのか。旧漢字に苦しむも、テンポよく進む物語です。次巻へ。2020/11/12

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