内容説明
借金に苦しむ主人公が苦況を切抜けるために雄弁の術を身につけようと、息子ともども入門した先は、ソフィストの大先生ソークラテース。ところが、詭弁を身につけた息子にさんざん悩まされる羽目に…。当時流行したソフィストへの攻撃をテーマに、その代表としてソクラテスを戯画的に登場させて古来論争を生んできた問題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホームズ
20
再読。やはり内容が理解しにくい感じがあるな~。ソクラテスの会話もあまりにちんぷんかんぷんというか分かりにくくて読むのに苦労した。最後の場面はそれなりに面白かったけど・・・。解説が面白かったので良かったかな~。2013/05/02
壱萬弐仟縁
12
正論と邪論の対話で、姦通を巡ってのやり取りがある(78頁)。逮捕された男は、赤かぶの刑で、尻に赤かぶを詰め込み、熱い灰を頭からふりかけ、毛をむしり取るのがならわし(144頁)。恐ろしい刑だな。身の破滅だの、助平野郎、なんだのと。訳注によると、ギリシアの美少年を愛することは悪事とはならなかった(同頁)。2014/01/28
CCC
7
ソクラテスの話として見るとプラトンの著作などと齟齬が大きく「あれ?」となる。解説によるとソフィストを皮肉るためによく知られていたソクラテスの名前を借りたとのこと。主張は反映されていないと言って良さそう。話題も隙あらば下ネタに走ったりする。ただその論法には通じるところがあった気もする。しかし基本は作者や観客含むすべての登場人物の間抜けさを強調して笑いを取る作風だった。2023/11/29
ホームズ
6
ギリシア喜劇は神話が元になっていないのでちょっと理解するのが大変だったりする。今回も少分かりにくかった。ソクラテスとの会話もそんなに面白いって感じではないし。解説は色々と面白かったけど(笑)2010/06/02
フクロウ
3
ストレプシアーデスが不正に借金を免れようと、ソクラテスと雲にどうにかしてもらおうと働きかけ、結局は息子のペイディッピデースから酷い目に遭わされるという勧善懲悪モノ。糞尿オナラと立て続けに出てくるのでさすがに引くが、まぁ木庭顕『笑うケースメソッドⅡ』で言及があったので予定の範囲内ではあった。2023/02/15