岩波文庫<br> 李家荘の変遷

岩波文庫
李家荘の変遷

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  • サイズ 文庫判/ページ数 284p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784003202913
  • NDC分類 923.7
  • Cコード C0300

出版社内容情報

人民文学の創造者といわれる趙樹理(1906‐1970)が1945年に書いた最初の長編.山西省の一農村の1920年代末から抗日戦終結までの20年間の推移を描く.これはまた無知からさまざまの労苦を経て階級的にめざめてゆくこの物語の主人公鉄鎖の半生の歴史につながる.趙樹理文学の頂点であり,人民文学の達成を示す記念碑である.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

崩紫サロメ

11
李家荘と呼ばれる農村が共産党によって解放され、抗日戦争に加わっていく、変遷の物語。イデオロギー的には典型的な革命文学なのだが、作者自身がこの主人公たちと同じ時代を生きており、その同時代性ゆえのリアリティが、イデオロギーを越えた面白さ(残酷さを含め)となっている。村人にヘロインを買いに行かせる地主、共産主義を全く理解せぬまま共産党を称賛する農民……など。2020/01/31

rubeluso

1
いわゆる「革命文学」なのでその辺はわりびいて読む必要があるし、今更云々する意味もない。しかし、冒頭で村長ら権力者のほしいままに行われる「伝統的」な裁判と、結末近くの民衆が地主を血祭りにする人民裁判の対比は、中国でどのような変化が起こったのか、あるいは目指されたのかを知る手がかりにはなるし、法やルールというものの有り様を考える示唆を得られる2016/04/02

slowbird

0
中国の地方の農村で、地主や軍閥によって貧乏人は虐げられ、搾取され、公平も公正もない時代。そこへ共産党がやってきて、日本軍がやってくる。不当に財産も奪われ零落する農民とその家族が運命を切り開いていくストーリーと並行して、その地方の近代化の流れが描かれる。民衆にとっての敵対心の対象は金持ちや軍閥に取り入る者たちで、貧乏人からは毟りとり、山賊まがいの行為もし、日本軍の手先となって同胞を売る。そういう人間はいただろうし、大きな力やイデオロギーの対立よりもリアリティがあり、その悪辣さがスリリングな展開を生んでいる。2025/02/23

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