出版社内容情報
江南の方臘は,梁山泊軍団にとって最も手ごわい敵であった.108人の豪傑たちの大半を失う大苦戦の末,宋江らはようやく勝利を収めて都に帰還するが,そこには宋朝の廷臣たちの陰険な謀略が待ち受けていた.(完結)
内容説明
江南の方臘は、宋江ら官軍となった梁山泊軍団にとって最も手ごわい敵であった。義を誓い合った兄弟108人の大半を失う大苦戦の末、ようやく方臘を生け捕りにして都に帰還する。しかし宋江たちを待っていたのは宋朝の廷臣たちの謀略…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かごむし
19
頭の中で葬送の音楽がBGMとして流れていた。終局に向けて性急なテンポで突き進む最終10巻。ラストはぐっとくるものがあった。もう少しそこまでの本編が心に刺さるものだったら、もっとラストの余韻が響くと思ったけれど、最後くらいは悪口めいたことを言うのはやめよう。途中で本を置くことなく読めたのはやっぱり本の力だと思うから。個人的には一番好きな魯智深が、せっかく高官の道がひらけたのに「みんないらない」と言ったシーンがとてもよかった。自分が社会で格闘したあとに至るであろう心境の予感というものへの共感なのかもしれない。2020/12/14
屋根裏部屋のふくろう🦉
8
南方(今の杭州周辺)で方臘が反乱を起こし宋朝とは別の王朝を立てたので宋江らは征伐に。途中の戦でどんどん部下を失う。思えばこれら108人の将軍たちとの出会いと仲間になる話が1〜9巻まで。この10巻はそれまで出会った将軍たちとの別れの話とも言える。皆あっけなくこの世を去っていったものだ。最後に宋江が宮廷の悪臣たちの計略にかかるのが予想外だった。この悪臣たちが成敗されずに終わっているので、なんだか尿切れが悪い。全十巻、吸い込まれるように読ませてもらった。2020/07/30
syaori
5
方臘の乱の鎮圧に向かった梁山泊の面々ですが、病人や死者が出て108人の豪傑たちはどんどん欠けていきます。この結末は切ないです。梁山泊で田舎泥棒をやっていた頃が一番楽しかったのに…。でも、初めて水滸伝を読みましたが、すごく面白かったです。もっと人気があってもいいのに、日本だと三国志の影に隠れている感がありますよね。絶対ごひいきの好漢ができると思います。ぜひ梁山泊へ。しびれ薬入りのお酒を飲まされて饅頭の餡になるかもしれませんが、行ってみる価値はありますよ!2015/10/22
ぽぽんた
3
2/12 方臘征伐と108星崩壊の巻。遼国征伐では誰一人欠けなかったのに、ボロボロ減っていく。戦いぶりはちゃんと書いてあるのに、死に様はずいぶんあっさり書かれちゃって寂しいねぇ。さて、ドラマ水滸伝もラスト2回。もうしばらくひたりましょう。2014/02/15
いちはじめ
3
この巻は少し間をあけて気を取り直して読む。とうとう完結。結末は知っていたけれど、やはり実際に読むと哀しい1999/08/16