出版社内容情報
中国・明代に編まれ,江戸時代から今日まで,長らく日本人に愛誦されてきた唐詩のアンソロジー.王維・李白・杜甫ら盛唐期の詩人を中心に,128人,465篇の名詩が選ばれている.原文・訓読文に語釈・現代語訳を付し,(上)には巻1-3,(中)には巻4-6,(下)には巻7と「詩人小伝」を収める.改版(補訂=佐藤保).
内容説明
本冊には、巻四(五言排律)、巻五(七言律詩)、巻六(五言絶句)を収録。
目次
4 五言排律(送劉校書従軍(劉校書の従軍を送る)(楊炯)
霊隠寺(駱賓王)
宿温城望軍営(温城に宿して軍営を望む)(駱賓王)
使嶺南聞崔馬二御史並拝台郎(嶺南に使いして崔・馬二御史の並に台郎に拝せらるるを聞く)(蘇味道) ほか)
5 七言律詩(奉和庫部廬四兄曹長元日朝廻(庫部廬四兄曹長の「元日、朝より廻る」に和し奉る(韓愈) ほか)
6 五言絶句(題袁氏別業(袁氏の別業に題す)(賀知章)
夜送趙縦(夜、趙縦を送る)(楊炯)
易水送別(駱賓王)
題祀山烽樹贈喬十二侍御(祀山烽の樹に題して喬十二侍御に贈る)(陳子昂) ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
19
○読むたびに新たな発見があります。今回は張九齢の奉和聖製早度蒲関がツボに入りました。李白が好きな詩人であり、この巻では送友人がお気に入りです。2022/08/10
順子
6
9月9日(重陽の節句)に酒を飲む詩が多いな。あと、主君の家で「素晴らしいお宅ですねー」。風景は川とか山とか雲とか鳥。気になったのは玉佩と砧を打つ音。ググってナルホド。「春眠暁を覚えず」は五言絶句だったのか。五言絶句はいい感じ、短くて淡々と風景と心情を表現。…これね、じっくり味わえばもっと好き嫌いがハッキリしてくると思うんだけど、時間がない私には向かないかな。と思いつつここまで来たら下巻も読むよ。2022/08/22
綾野理瀬(Ayano Lise)
6
解説がわかりやすく、註も豊富で読みやすい このシリーズはお気に入り。中でも王維の阿倍仲麻呂の帰国を送る送別詩は好き。彼の遭難が報じられたときには李白が追悼の詩を作ったそうな。当時の唐においては、日本は海の果ての国、えびす扱いもやむを得ないけれども、彼らは友情に結ばれていたのだ。後半、五言絶句になるとかなり有名な漢詩も含まれており、昔の記憶をたどりながら読むのも一興。意外に無名氏(詠み人しらず)と民謡がよい。2018/01/25
零水亭
2
『唐詩選』の中でも五言律詩、五言排律、七言律詩ではヨイショ感漂う「応制」が多いので、あまり好きではない。五言律詩、七言律詩なら『三体詩』に選ばれている者の方が好き。杜甫の「春望」「春夜喜雨」も収録されていないし… あと、今更だが、1992年頃の改定の際にそれまでの「五言律詩・五言排律・七言律詩」だっだのが「五言排律・七言律詩・五言絶句」に代わってしまった。三分冊の厚さのバランスはよくなったのだが、古体詩、今体詩の詩体の面を考えると、何かアンバランスになってしまった。個人的には改定前の並びが好み2020/12/11
お気楽になりたいお気楽さん
1
巻四(五言排律)、巻五(七言律詩)、巻六(五言絶句)を含む。各詩について、その語句の解説部分を原則とばして読む。各詩の前後の背景説明、訳が良いのか、読んでいてなんとなく分かったような気になれる。応制、応令のようなヨイショしている詩はつまらない。「乗興即爲家」(巻四、春帰)☆☆☆☆2020/12/04