出版社内容情報
次郎は生後まもなく里子にだされ、五、六歳になって実家に帰ってくるが、自分に対する家庭の空気が非常に冷たく感じられ、乳母が恋しくてたまらない。大人の愛に飢える次郎は、周囲に対して反感をいだいて、わざと?をついたり、乱暴をするようになる。つらい運命に耐えながら成長する次郎の姿を深く見つめて描く不朽の名作。
内容説明
次郎は生後まもなく里子にだされ、五、六歳になって生家に帰ってくるが、自分にたいする家庭の空気が非常に冷たく感じられ、乳母が恋しくてたまらない。大人の愛をほしがる子どもが、つらい運命に耐えながら成長する姿を深く見つめて描く不朽の名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひでお
10
この本は、小さいころに読んで、それこそ何度も何度も読み返した作品です。子供心に、素直に受け入れていたのだと思いますが、今読み返してみると、いささか教条的な感じがしなくもないです。著者が、教師出身という立場の視点が大きいのだろうと想像されます。でも、そういうところを別にしても、初めて読んだときから数十年たった今でも、物語に引き込まれるところはかわらず、普遍的な求心力のある作品なのではないかと思います。2021/02/20
大島ちかり
8
次郎の心の歪みや成長が環境によって左右されるのが痛感出来る。成長するにつれ、兄弟、母の心情が理解できるようになり、わだかまりがなくなってくる。つれない親族でも理解してくれる大人が必ずいた。曲がった性格を待ってくれる大人がいた。そのために、正しい方向に向かうことができた。昭和の普通の光景かもしれない。2025/07/13
taiyou gyousi
7
小学校のときに読んで、あまり意味が分からなかったので、再読。改めて読むと、こんなに素晴らしい話だったのかと感じた。悲しい運命のもと少しずつ成長していく次郎。しかし、大人の身勝手さになかなか素直になれず周りからも理解されない。大人に対する不信感。しかしそんな大人の愛情を求め続ける次郎。続けて2部もすぐに読みたくなった。2020/10/30
しん君
6
きっかけは映画。三人兄弟の真ん中。幼少期に自分だけ里子に出されたり、母の実家に預けられたり。ひねくれたくもなるよ、子どもなんだから。すごく彼の気持ちが分かる。父方の祖母以外とは仲良くやって行けそうだし、操行は悪くても頭も良いし足も速いので、どんな大人になるのか成長が楽しみ。実母他界し次巻へ。2024/08/24
kako
5
生まれてすぐ次郎は、里子に出された。五歳になる頃実家に戻されるが、乳母のお浜が恋しくてたまらない。そんな次郎を良く思わない母親と祖母は、次郎に冷たくあたる。そんな中、週末帰る父だけがは、次郎にとって安らげる存在だった。子供にとって親に愛されていないと感じる事が、どんなに孤独を与える事か。自分の気持ちが一番で上手く愛してあげられない母。意地の悪い祖母。心の真っ直ぐな父。不幸な境遇の中成長していく次郎の姿を描いた名作でした。2024/03/26
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