出版社内容情報
日本の古典とシュルレアリスムを架橋し、日本語の可能性を果敢に切り拓いた詩人大岡信(1931- )のエッセンスを自選により集成。
内容説明
同時代と伝統、日本の古典とシュルレアリスムを架橋して、日本語の新しいイメージを織りなす詩人大岡信(一九三一‐)。のびやかな感受性と厖大な知を自由自在に多方面に活動させ現代詩に新たな展望を切り拓く詩人のエッセンス。
目次
『大岡信著作集第三巻』―(青土社、一九七七)
『記憶と現在』―(書肆ユリイカ、一九五六)
『大岡信詩集』―(今日の詩人双書7、書肆ユリイカ、一九六〇)
『わが詩と真実』―(思潮社、一九六二)
『大岡信詩集』―(思潮社、一九六八)
『透視図法‐夏のための』―(書肆山田、一九七二)
『遊星の寝返りの下で』―(書肆山田、一九七五)
『悲歌と祝祷』―(青土社、一九七六)
『春少女に』―(書肆山田、一九七八)
『水府みえないまち』―(思潮社、一九八一)
『連詩 揺れる鏡の夜明け』―(筑摩書房、一九八二)
『草府にて』―(思潮社、一九八四)
『詩とはなにか』―(青土社、一九八五)
『ぬばたまの夜、天の掃除器せまつてくる』―(岩波書店、一九八七)
『故郷の水へのメッセージ』―(花神社、一九八九)
『地上楽園の午後』―(花神社、一九九二)
『火の遺言』―(花神社、一九九四)
『光のとりで』―(花神社、一九九七)
『世紀の変り目にしやがみこんで』―(思潮社、二〇〇一)
『旅みやげ にしひがし』―(集英社社、二〇〇二)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
72
大岡さんの本は、様々な詩歌を編纂されていた「折々のうた」やそのほかの歌人論などで知っていましたが、このような詩集があるとは知りませんでした。「自選」と書かれているだけにさまざまな詩集から選ばれたもので構成されていて楽しめました。「詩とはなにか」という題名の詩集があってそこからもいくつかの詩が選ばれています。わかりやすい詩が多いと感じました。三浦雅士さんの解説が一つの作家の文学論になっていてこれも印象に残りました。2022/09/11
呼戯人
18
「朝は 白い服を着た少女である」この書き出しで始まる自選大岡信詩集。鮮烈なイメージが全編を貫いて走り、詩という謎が謎を呼び、私たちは神秘的な隠喩の世界で眠るようにこの詩集の中で揺蕩う。ああ、私はなぜ詩を読むのだろう。なぜ詩を書くのだろう。詩とは何だろう。世界と向き合う意識の謎。言葉を浮かばせる心という海の中の遊泳。夏の夕立が世界を濡らし、意識の青春に立ちすくむ。初老の人となった今でも詩集の前に立つと不安に震える青年のように頼りない。2016/05/10
風花
17
大岡さんの美しいことばと、流れるように自由で、音楽を奏でているような詩が好きでした。もう新しい詩を読めなくなるのはとても悲しいけれど、この詩集を繰り返し繰り返し、何度もなんども読んでいこうと思います。『宵闇の石廊は風に向かって開かれ、佇むぼくらの肩に誰かの手がおかれていた。「さあ、行くがいい」。やさしくぼくらを突き放したのは、きっと天使であったのだろう。とまれ、ぼくらはもう振向かなかった。ぼくらの頭に夜の河が流れはじめ、蝙蝠が啼いてわたる……。旅はいつでもこのようにして始まるのだ。』(夜の旅 より)2017/04/07
シンドバッド
10
怠惰で、惰性的な読書生活の私にとっては、久しぶりに感性を揺るがす言葉に感動。2017/11/19
雪野きずな
7
知らない詩人だったが読メのおかげで知って読んだ。読メはこういう所がいい。他の詩人の詩集も読みたくなった。2019/03/08
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